2018.09.06 Thu

 日本では既に少子高齢化社会が到来しています。多くの日本人がこのことを認識しているかもしれませんが、それでは実際に、少子高齢化の進行によって社会がこの先どのように変わっていくのか、具体的に予測できている人はあまり多くないかもしれません。

 ジャーナリストの河合雅司氏が執筆したビジネス書『未来の年表2 人口減少日本であなたに起こること』(講談社)では、少子高齢化によって社会がどのように変わっていくのか、という予想が展開されています。

 少子高齢化社会が本格化することで、これから社会はどのように変わっていくのか。そして、やがて高齢者になっていく自分は、どのように準備をすれば良いのか。本書からそのヒントを読み解きます。

 

貧しい高齢者が増える理由とは

 河合氏は本書にて、日本の少子高齢化の特徴として、「貧しい高齢者が増加する」点を挙げています。

 その根拠として、現在40代以下の“団塊ジュニア世代”の多くが、「失われた20年」(1990年頃から日本の経済成長が伸び悩んだ期間)により、思うような職に就けず、低収入で、年金を納めることすら困難であるため、としています。

 この世代には、正社員でも給料が安いか、非正規社員として不安定な雇用環境にある人が多くいます。2016年時のデータでは、20~54歳までの年代で「親の収入に依存して生活している人」は217万人います。この世代の親が亡くなる、もしくは健康状態の悪化したとき、一部の資産家を除き、生活は破綻することが予測されます。こうした世代が年齢を重ねていくことで、貧しい高齢者が増加することが見込まれる、というわけです。

 

寿命は長い=それだけ稼ぐ必要がある

 貧しい高齢者が増える背景としては、寿命が長くなることも要因の1つであると、本書で指摘されています。特に、男性と比べて平均寿命が長い女性にとっては大きな問題となるようです。

 日本人の平均寿命は、男性が81.09歳、女性が87.26歳と、女性の方が圧倒的に高くなっています(2017年厚生労働省調査)。日本の高齢化社会は、ある意味で「おばあちゃん社会」でもあります。これはつまり、女性は長生きする分、生きるためにお金を稼ぐ必要があるということを意味します。

 しかし、元々日本は男性中心の社会であったため、女性が定年後、高齢人になってから働ける環境は、現在も整っているとは言い難い状況です。そのため、働き口がなく、貧しい高齢者、特に女性の貧しい高齢者が増えてしまう恐れがあるといいます。

 

働けるうちは働く。でも雇用はある?

 このような厳しい時代の到来に対して、河合氏は「今からできる8つのメニュー」という形で、個人もしくは企業でもできる対処方法を提言しています。ここでは、その中から個人にもできる5つを取り上げて紹介します(残り3つは企業向け)。

 まず1つ目が、… 続きを読む

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地蔵 重樹

地蔵 重樹

フリーライター

ニュースサイトやオウンドメディアなどのWebコンテンツや、書籍のライティングを行う。著書に『〈アウトライン記述法〉でA4一枚の文書がサクサクつくれる本』(日本実業出版社)などがある。

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