昔は「人は見かけによらない」と言われることもありましたが、現代は完全に「人は見かけによる」時代になりました。たとえば社内や取引先でも「アイツはチープなスーツしか着ていないから、安い仕事しかできない」と、知らない間に値踏みされている可能性もあります。つまり、見た目だけで大事なチャンスを逃してしまう時代になったのです。
今回は、年齢と年収に見合うスーツの買い方と、ちょっとした色気=個性の出し方をお教えします。
男の価値は「正しいスーツ」から始まる
役員クラスが着ているスーツを見て「高そうないい服だな」とか、フレッシャーズが入社してきて、「就活のときによく見た感じのペラペラなスーツだな」と感じる人は、服の見立てができる人です。
それでは、自分のスーツ姿は他人からどう見られていると思いますか? 一度、本音が聞ける家族や同僚に一度、「どう見える?」と聞いてみることをお薦めします。
スーツと年収には相関関係があって、「年収の100分の1がスーツの値段」と言われています。3,000万円もらっている社長なら30万円ほどのスーツ、1,000万円のマネージャークラスなら10万円、400万円の新人なら4万円というのが妥当なライン。30万円ならオーダーメイド、10万円ならイタリアの高級ブランド、4万円ではスーツ量販店というのも一つのめどになります。

さらに、「スーツの8割ぐらいが靴の値段」という説もあって、30万円のスーツを着ている人なら、靴は24~5万円です。英国の最高峰シューズメーカー、ジョンロブがまさにその価格帯。ジョンロブが「カーペットの上を歩く社長の靴」といわれるゆえんです。40代で10万円のスーツに8万円の革靴を履いているのなら、それは上出来です。自分の見立てに自信を持ってください。
これだけは知っておきたい、スーツの見た目と生地の関係
「でも、そんなにお金をかけられないよ」というのも本音のはず。10万円のスーツと聞くと「高いなぁ」と思いますが、「最低5年、できれば10年着られる」となると、1年あたりのコスパはグッと下がります。3~4万円のものを2年ほどで着つぶすか、10万円のものを大事に10年着るか、そこを考えるのがまずスーツ選びの第一関門です。
一方で、スーツは、バリバリ働くときに着る“ワークウェア”ですから、実は作業着と同じように、生地の丈夫さと動きやすさが購入のポイントになります。
スーツの生地(服地)は、イタリア製、イギリス(英国)製、そして国産の高級生地に分類されますが、デパートやセレクトショップで扱っているのはほぼイタリア製か英国製の生地のスーツです。
イタリア製の生地の特徴は、… 続きを読む