ペルーの首都リマでは、日本の洋菓子を始め、餅やたい焼きの店が続々誕生している。抹茶や黒ゴマ、ショウガといった、和の素材を使うアイスクリームも人気だ。当地のSNSには、和スイーツの画像に加え、「Matcha」や「Anko」、「Mochi」、「Taiyaki」などおなじみの単語が並ぶ。
今回は地球の裏側で盛り上がる和スイーツの今と、その背景について考察する。

日本品質の洋菓子が人気
2015年9月にオープンしたケーキショップ「Yogashi Patisserie(洋菓子パティスリー)」は、日本で修業を積んだ日系人パティシエ、カルロス・ヤナウラの店。店内は白を基調とした爽やかな作りで、ショーケースには日本さながらの小振りで繊細なケーキが整然と並んでいる。
シンプルで洗練された洋菓子パティスリーのケーキは、とにかく甘く、ゴテゴテとしたデコレーションが特徴のペルーのそれとは明らかに一線を画す。味はもとより、その完成度の高さはまさに世界が認める“日本品質”を体現するものだ。日本の洋菓子は“西洋菓子”という意味だが、ペルー人にとってそれはまさに“和スイーツ”なのである。
平日で32種類、週末は40種類前後という豊富なラインナップの中で、特に人気なのが抹茶と餡を使ったケーキだ。
もともとペルーには「フレホール・コラード」と呼ばれる、こし餡状の菓子がある。そのため、餡を“庶民の食べ物”と見下すことがしばしばあるという。
しかし、… 続きを読む