「人前に出ると緊張して上手く話せません。どうしたらいいでしょうか?」
筆者は2016年に、日本最大のスピーチコンテスト全国大会で優勝したこともあり、多くの人からこのような質問を受けます。たしかに人前で話すときに、全く緊張しないという人はほとんどいないでしょう。
緊張感を克服するためによく言われるのが、「場数を踏むこと」です。しかし、「来週、初めてのプレゼンテーションがある!」「今度の週末結婚式でスピーチをしなければならない!」という切羽詰まった人が、多くの場数をこなすことは難しいものです。
そこで今回は、短期間でも実践できる、人前でスピーチをする際の緊張を和らげる方法を紹介します。
人はなぜ人前で緊張するのか
そもそも、人はなぜ人前で話すと緊張するのでしょうか?その大きな理由は、(1)失敗が損失につながるから、(2)失敗すると恥をかくから、という2点に集約されます。
(1)の「失敗が損失につながる」は、主にビジネスの場面における就職・転職の面接では失敗すると内定を逃しますし、コンペでのプレゼンで受注が得られなければ、自分の信用を失うだけではなく、会社にも損失を与えてしまいます。
(2)の「失敗すると恥をかく」という理由での緊張感は、多くの人が見ている前で言い間違えることで「笑われるのではないか」「噂をされるのではないか」という心配から生じています。結婚式などプライベートな場面だけでなく、ビジネスシーンでも「後で上司に指摘される」「恥をかいたことが社内で噂になってしまう」といった不安を感じる人は多いでしょう。
いずれの理由も、緊張の引き金が、失敗した後のことをイメージすることという点では共通しています。ですが、克服するための方法は少し異なります。
準備は「80%」で問題ない
まず(1)の「失敗が損失につながる」から生じる緊張感を克服するためには、事前準備が重要です。その事前準備とは、… 続きを読む