「ロードスター」が4代目に生まれ変わり、5月20日に正式に発表となった。マツダのブランド・アイコンとも言える、世界に名だたるライトウエイト・スポーツを「守るために変える」モデルチェンジである。
軽快な乗り心地を実現する、新しい「ライトウエイト・スポーツ」
新型ロードスターは、車両重量を部品1g単位で徹底して削ったという、とことん軽量化にこだわったスポーツモデルだ。発表会見では、開発を率いた山本修弘・商品本部主査が、ボディの高張力鋼板(強度を向上させた鋼板)やアルミ材など、軽さと強さを兼ね備えた材料の使用について説明する場面もあった。
山本氏によると、ボディ重心部から遠い部分と高い部分などに、軽いアルミ部材を使っているという。たとえば、フロントフェンダー(フロントタイヤの外側を覆っているパネル)やソフトトップ(開閉可能な幌屋根)の骨格といった部分がそうだ。
資料によると、市販モデルの全長・全幅・全高は3,915×1,735×1,235mm、ホイールベースは2,310mmとなっている。4,000mm未満の全長、そしておよそ1,200mmの全高は、かなり小さくて低い、じつにコンパクトなサイズだ。
これまで同車は、モデルチェンジを繰り返すなかで大きく重くなっていたが、新型の車重はもっとも軽いグレード「S」で、1tを切る990kgとなった。この車重の軽さと、車体の全長と前後オーバーハング(車両を真下・真上から見たとき、前後左右の車輪の接地中心点から外にはみ出た部位)の短さが際立っている。歴代ロードスターの運動性能の特徴である“ヒラリ感のあるハンドリング”と“軽快な運動性能”が車体から強く伝わってくる。
山本氏の「ライトウエイト・スポーツという、自動車文化の再興をめざした初代NA型の志に立ち返る」意志が、明確にカタチになったと言えそうだ。NA型とは、自然吸気エンジンのことで、排気ターボなどを用いず、ピストンの下降運動により大気から空気を吸入するエンジンのことをさす。
細部のこだわりが光る、低重心・コンパクトなパッケージング
パッケージングへのこだわりは歴代ロードスターの特徴だが、新型はさらに突き詰めている。… 続きを読む