Bizコンパスの人気記事をアクセス数順に紹介する「Bizコンパス 月間アクセスランキング」。今回は1月のアクセスランキングを発表します。Bizコンパスのアクセス数1位となったのは、どの記事だったでしょうか?
【第1位】もうすぐ100周年「カルピス」がいま大切にするものとは
1位に輝いたのは、連載「ニッポンのロングセラー」から、アサヒ飲料の乳酸菌飲料「カルピス」の歴史を振り返る「もうすぐ100周年『カルピス』がいま大切にするものとは」(1月10日公開)でした。
約100年もの歴史を持つカルピスを最初に作ったのは、三島海雲という実業家です。大学在学中に中国に留学した海雲は、内モンゴルで「酸乳」という白くて酸っぱい飲み物を飲むことで、長旅で弱った胃腸が回復したといいます。この経験を元に、海雲は乳酸菌を活かした食品の開発に取り組み、1919年に日本初の乳酸菌飲料としてカルピスを発売します。
当時は「乳酸菌」という概念が知られていなかったこともあり、海雲はさまざまな手法でカルピスをアピールします。たとえば、「初恋の味」という、今でも続くキャッチコピーを掲げたのもこの頃。さらには、欧州の美術家を招き、ポスターデザインコンテストを開催、日本各地で展覧会を開催するといったアピール法にも取り組みました。
徐々に知名度を高め、市民権を得ていったカルピスですが、1955年に誕生した缶入り飲料と自動販売機の普及によって、ある課題を抱えることになります。それは、当時のカルピスが、原液を水で薄めて飲むコンク(濃縮)飲料であった点です。缶入り飲料や自動販売機が普及したことによって「飲料を外で買って、そのまますぐに飲みたい」というニーズが広まったものの、カルピスはそれに応えられませんでした。
やがてカルピスは、1973年に炭酸飲料の「カルピスソーダ」、1991年に炭酸なしの「カルピスウォーター」という、コンクタイプではないストレートタイプの飲料を発売します。しかし、カルピスソーダの誕生は缶飲料の誕生から18年後、カルピスウォーターもカルピスソーダから18年後と、だいぶ間隔が空いて発売されています。なぜ、カルピスウォーターはなかなか発売されなかったのでしょうか?その理由は、ぜひ記事にてご確認ください。
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【第2位】最新セキュリティ対策「インターネット無害化」とは
第2位には、セキュリティ対策の新たな取り組み「インターネット無害化」について深く掘り下げた「最新セキュリティ対策『インターネット無害化』とは」でした。
ウイルス対策ソフトによるマルウェアの検知率は低下し続けている今、新たなセキュリティ対策の手法として、注目を集めているのが「インターネット分離」です。多くのマルウェアはWebサイトやメール経由で感染するため、インターネットをシステムと分離することで、システムがマルウェアに感染したり、業務システムに不正侵入されるといったことが防げます。
ただしインターネット分離は、Webサイトの閲覧やメールの送受信をするには、別の端末や仮想デスクトップを利用する必要があり、相応のコストが発生します。さらに、IT環境も複雑化し、操作方法も変わります。インターネット分離の導入になかなか踏み切れないというケースもあるようです。
「インターネット無害化」は、インターネット分離と同等のセキュリティ効果を得つつ、既存の環境に導入しやすいソリューションです。
インターネット無害化は、Webブラウザーやメールの危険なコンテンツやURLを予め削除することで、危険を未然に防ぐ仕組みです。たとえば「Web無害化」では、端末とインターネット上のWebサーバーの間に置いたプロキシーサーバーが“無害化処理”をほどこし、その後、端末に転送する仕組みです。「メール無害化」では、本文に記載されたURLに対し、クリックしてもWebブラウザーが起動しないよう書き換えたり、HTMLメールからテキストメールへの変換を行います。
記事ではインターネット無害化のソリューションの具体例が取り上げられています。インターネット分離を検討したものの、ハードルが高く断念した、あるいはセキュリティ対策の強化や見直しを検討しているのであれば、インターネット無害化という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。
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【第3位】事例で解説!RPA、AI、チャットボット導入の勘所
第3位は、ロボットやチャットボット、AIを活用し、生産性の高い働き方の実現法を取り上げた「事例で解説!RPA、AI、チャットボット導入の勘所」でした。
タイトルの「RPA」とは、人間が行う定型業務や定形作業をロボットが学習し、自動処理する「Robotic Process Automation」の略称です。記事によれば、事務処理時間の削減には、RPAの導入が効果的といいます。
たとえばある金融系企業では、毎朝、担当者が株価を外部の株価情報サイトから検索して、手作業でエクセルに転記していました。こうした作業を、RPAによってコピー&ペーストする単純作業を自動化することで、入力ミスなどのヒューマンエラーが無くなり、格段に作業のスピードも上がったといいます。人手を介さないため、設定すれば、深夜など無人の時間帯にも作業できます。
記事ではさらに、チャットボットを利用することで、時間を有効活用ている企業の事例も紹介されています。
ある企業では、日報がオフィスでしか記入・登録できず、外出中の従業員は、打ち合わせ終了後にわざわざ会社に立ち寄り、日報を登録していました。そこで同社は、モバイルデバイスで日報登録ができるよう、チャットボットを使ったSaaSとの連携システムを導入。スケジューラーに「外出」と登録されている場合、日付や時間、訪問先の社名、商談名などを自動的に日報へ引き継ぐため、ユーザーはチャットボットで日報を入力するだけで登録できます。
こうした新しい仕組みを導入し、社内にシステムを根付かせるためには、本記事では「単に使いやすいだけではダメ」指摘しています。それは一体なぜなのでしょうか?
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【第4位】顧客接点刷新で現場の課題を可視化したローソン
第4位は、コンビニ大手の「ローソン」が、複数のコンタクトセンターをクラウド基盤に集約した事例を取り上げた「顧客接点刷新で現場の課題を可視化したローソン」(1月26日公開)でした。連載「いま求められる“顧客接点の強化”」の第3回にあたります。
年間約160万件もの問い合わせを受けるローソンのコンタクトセンターは、「顧客向け」「加盟店向け」の2つの窓口に分かれています。顧客向けには電話やメール、Webフォームが設けられていましたが、加盟店向けは、問い合わせ項目が多岐にわたり、急ぎの応対が求められるため、電話窓口のみとなっていました。しかしこれが、対応窓口間で「たらい回し」を発生させることにつながっていました。
こうした状況を受け、ローソンではたらい回しを減らすことに加え、「今何が起こっていて、ステークホルダーからどういう声が集まっているのか」をスピーディーに経営に垂直報告するため、コンタクトセンターをクラウドに統合。すべてのデータに経営陣がいつでもリーチできる環境づくりに乗り出します。
このクラウド化によって、ローソンのコンタクトセンターを取り巻く環境は改善されました。オペレーターの席を原則的にワンフロアに配置し、加盟店が問い合わせ窓口を間違えた場合も、同フロアで応対することで「たらい回し」を抑制。応対完遂率や応対品質は飛躍的に向上したといいます。さらには、運用にかかるトータルコストも省き、システムトラブル時の復旧対応品質も向上したといいます。そして、電話、メール、Webなどの応対履歴を自社で管理、分析できる仕組みも構築し、ビジネス課題の「可視化」も実現できたといいます。
果たしてローソンはどのような方法で、電話基盤のクラウド化でビジネス課題を可視化したのでしょうか。その詳細は、記事でご確認ください。
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【第5位】どうしてクラウドERPが「働き方改革」に有効なのか
第5位には、ERP(基幹系システム)のクラウド化によって、働き方改革を推進する方法を取り上げた「どうしてクラウドERPが『働き方改革』に有効なのか」(1月24日公開)でした。
ERPは、経営資源を一元的に可視化し、管理することで経営管理をサポートするのが本来の用途です。「経営層のためのシステム」と考える人もいるかもしれませんが、ERPのデータは従業員が現場で日々入力する情報が元となります。多くの企業では、現場独自の業務システムをERPに連携していますが、これでは経営と現場が断絶し、システムも複雑化してしまいます。つまりERPは、経営層も現場も、双方が使いやすいにこしたことはないのです。
使いやすいERPの例として、記事ではマイクロソフトの「Dynamics 365」が紹介されています。Dynamics 365は、現場に近いシステムもカバーできるよう、ERPとCRMの機能を統合したパッケージで、マイクロソフトの各種プロダクトとも連携が可能です。Excelも利用でき、オンライン上で直接ERPのデータ参照・編集に対応します。
もしかすると、いま日々の業務で、CSVでERP内のデータを書き出し、それをExcelで開いて編集し、その上で書き戻す、といった作業をしている企業もあるかもしれません。これは、Dynamics 365であれば不要となります。
Dynamics365では、Excel以外にも、「PowerApps」という便利なツールもあります。これは、モバイルアプリやWebアプリを、PowerPointに似た操作で作成できるツールです。これを利用すれば、経営層から「ERPに蓄積された情報を現場で簡単に参照できるツールがほしい」といった要望があった場合、PowerAppsで現場の声を聞きつつ、情報システム部門の担当者が即座に開発することも可能です。内容によっては数日程度で開発できます。
このほかにも、ロボットにより定型業務を自動化するロボティクス・プロセス・オートメーション(RPA)との連携の仕組みもDynamics 365では提供されています。詳細は記事にてご確認ください。ERPの導入・更改する場合は、生産・販売・在庫の可視化や将来予測といった経営目線での導入効果だけでなく、現場の働き方改革への効果も考慮すべきといえるでしょう。
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以下、順位を列挙します。6位は、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ社でビジネスコンサルタントとして活躍している榊巻亮氏に、「グダグダ会議」の変え方を聞いた「会議が変わると働き方が変わる!そのノウハウとは」(1月5日公開)、7位は、USENグループのICT事業を担う株式会社 USEN ICT Solutions社の青柳陽一氏に、事業会社として発足するまでの紆余曲折をインタビューした「USENの『お荷物』部門を黒字化したチームワークの力」(1月9日公開)でした。
8位は、習慣化コンサルタントの古川武士氏が、ビジネスで訪れる大ピンチをどうやって抜け出すのか、その方法を紹介した「絶体絶命のピンチは『選択肢思考』」で抜け出せる」(1月6日公開)、9位は年初の箱根駅伝で、青山学院大学を4連覇に導いた原晋(はらすすむ)監督の組織マネジメント術を取り上げた「箱根駅伝4連覇!青学大・原晋監督の目指すチームとは」(1月12日公開)でした。
10位は、今や全国に店舗を構えるうどん店「丸亀製麺」の過去と現在を、運営会社であるトリドールホールディングスのリーダーである粟田貴也氏にインタビューした「丸亀製麺は、わずか8坪の小さな焼き鳥店から始まった」(1月23日公開)でした。
なお、6位のケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ社、7位の古川武士氏、8位の原晋氏は、今月23日金曜日に開催される会員限定「Bizコンパスセミナー」に登壇し、理想的な働き方改革の方法について語ります。ぜひ、この機会にご参加ください。こちらのページから申し込みを受け付けております。
※ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ社は、同社アソシエイトディレクターの中川悠氏が登壇します。