中高年ビジネスマンのために、最新IT・デジモノ用語をわかりやく解説するシリーズ。第8回は、インターネット上のユーザーの行動をリアルな店舗での消費活動に結び付ける「O2O (Online to Offline)」。現在、ホットなトピックとして注目され、小売業やサービス業を中心に多くの企業が取り組みを強化しているビジネス手法について解説します。
「O2O」とは、ネットから実店舗への誘導する活動のこと
「O2O(オー・ツー・オー)」とは「Online to Offline」の略称で、法人向けビジネスを表すB2B(BtoB/ビー・ツー・ビ−)や消費者向けビジネスを表すB2C(BtoC/ビー・ツー・シー)にならって名付けられた用語です。これは、簡単に言うとオンライン(インターネット上のユーザーの活動)をオフライン(実店舗)への消費活動に結び付けることを意味します。
実は、この概念自体は新しいものではなく、eコマース黎明期の2000年頃には「Click and Mortar(クリック・アンド・モルタル)」と言われていました。「クリック」=電子店舗、「モルタル」=小売店を表し、小売店がネットショップに参入することによる相乗効果を狙った手法だったのです。ところが、今、注目されているO2Oは、その逆の流れで、オンライン上の取り組みによってリアルの場を活性化するという意味になっています。
O2Oを具体的にイメージしてもらえるように、現在よく利用されているサービスの事例を紹介します。
・インターネット上での価格や口コミ情報や事前に調べ、実店舗で購入
・グルメサイトや共同購入サイトで配信されたクーポンを実店舗で利用
・スマホの位置情報をもとにクーポンを発行し、実店舗へ誘導
・スマホでタクシー配車を依頼
スマホ、ソーシャルメディアの普及がO2Oの流れを加速
O2Oという言葉が注目されるようになった背景には、スマホが普及し、いつでもどこでも簡単にインターネットにつながる環境が整備されたことがあります。GPSなどの位置情報やアプリを活用することにより、ネットからリアルへの誘導がより効率的に行なえるようになったのです。
また、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアの普及もO2Oの動きを加速しています。… 続きを読む