中高年ビジネスマンのために、最新IT・デジモノ用語をわかりやく解説するシリーズ。第16回はネットワークにつながったマシンが相互に通信し合ってサービスを提供する「M2M(エム・ツー・エム)」。次世代型都市「スマートコミュニティ」の基盤になるといわれているこの仕組みについて解説します。
ネットワークにつながれたマシン同士が相互に情報交換する仕組み「M2M」
「M2M」とは、Machine to Machine(マシン・ツー・マシン)の略語で、ネットワークにつながれたマシンの間で相互にデータをやりとりしながら、サービスを提供する仕組みのことをいいます。
実は、「M2M」自体は、2000年頃から提唱されていて目新しいキーワードではありません。ただ、以前は、無線通信環境が今日のように高度に発達していなかったこともあり、産業用機器の遠隔監視システム(タンク内の残量監視、自動販売機の販売数モニタリング、工作機械や事務機の利用状況のモニタリング等)として利用されるのが主でした。
しかし、今日では超小型センサーが機械に簡単に組み込めるようになり、Wi-Fiなどの高速ネットワーク通信網が全国隅々にまで張りめぐらされるようになりました。そうしたなか、M2Mは、これからのユビキタス(いつでも、どこでもインターネットにアクセスできる情報環境のこと)社会を支える情報インフラ基盤技術のひとつとして注目されるようになったのです。
現在、導入が進むM2Mの代表例「テレメータ」 「テレマティクス」
現在、多くの企業でいろいろなタイプのM2Mサービスの導入が進んでいますが、そのなかで代表的なものとして「テレメータ」と「テレマティクス」があります。
テレメータとは、パソコンや携帯電話を使って遠隔監視ができる装置で、ガスの検針や自動販売機の在庫管理、エレベータの故障状況確認、駐車場管理などに利用されています。
また、テレマティクスとは、カーナビの通信機能を活用して、走行距離、燃費、CO2排出量などの走行データをリアルタイムに取得できる車載用サービスです。
M2Mを社会全体に広げていくために仕様の標準化が進行中
こうしたテレメータなどは各企業がバラバラに事業を進めているため、用途や業種を横断したM2Mの広がりが見込めないという問題点が指摘されています。… 続きを読む