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恋する男子御用達のデートカー 日産シルビア
2013.09.25

名車伝説!「走りを忘れられない大人たちへ」第3回

恋する男子御用達のデートカー 日産シルビア

著者 谷垣 吉彦

 男子の大半が「肉食系」だった時代、大好きな女性をデートに誘うなら、かっこいい車はマストアイテムでした。お金がなくても、精一杯の見栄は張りたい……いや、張らねばならない。そんな「男子たち」のニーズをくみ取って生まれたのが、日産シルビア。2002年の生産終了は、肉食系男子の衰退を象徴するできごと、とも言えるかもしれません。

 

誕生は東京五輪の直後!

誕生は東京五輪の直後! 日産シルビアが産声を上げたのは、東京五輪の翌年、1965年のことでした。車の世界には、たくさん売れる車のシャシーをベースに、ボディやエンジンを載せ替えて作られる姉妹車、いわゆるスペシャルティ・カーと呼ばれるものがあります。シルビアの1代目CSP311型は当時大人気だったフェアレディZを、2代目S10型はサニーをベースとして開発されたスペシャルティ・カーでしたが、残念ながらどちらもあまり人気が出ない「不肖の妹」に終わりました。2002年まで作られ続けた人気車種にもかかわらず、シルビアにどこか日陰のニオイがつきまとうのは、そんな出自のせいでしょうか。
 3代目のS110型からは、やっとオリジナル車種として開発されるようになったものの、日陰者ならではの反逆魂は変わりません。1988年に誕生した5代目、S13型にいたってはFF(前輪駆動)全盛の時代にあえてFR(後輪駆動)を選択してみせるという、「時代への反抗」を見せつけます。ところが、当時の若者はこの反逆に熱狂。S13型は1993年の生産終了までに30万2329台という大衆車顔負けの売上を記録することになったのです。
 実際には日産も当時大人気を博していたホンダ・プレリュードに対抗すべく、女性受けするデザインのFF車を作りたかったものの、スタイルへのこだわりからFR車にせざるを得なかった、との噂もあります。そこまでこだわり抜いた甲斐あって、同車は1988年にグッドデザイン賞を受賞しています。

 

男が元気な時代のデートカー

男が元気な時代のデートカー ソニー損害保険が昨年11月~12月にかけて行ったアンケート調査によると、今年成人式を迎えた新成人が初めての車選びで重視するポイントでは、「価格:70.1%」「デザイン:60.0%」「燃費44.3%」と無難な答えがトップスリーを占めました。購入したい車のナンバーワンは日産キューブが4年連続で最多得票と、なんとも無難でクレバーな車とのつきあい方がうかがえる結果となっています。
 シルビアS13型が人気を博した1988年頃、若者の車選びはもっと「楽しみ」に重心を置いた、元気でバカバカしいものでした。… 続きを読む… 続きを読む

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谷垣 吉彦

谷垣 吉彦

フリーランスライター

アダルト層向け商品の販促プランニングや、経営・医療系書籍の企画・立案・執筆など、幅広い分野でライターとして活動する。大阪ミレニアムミステリー賞を受賞するなど、エンターテイメント分野での実績も評価されている。

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