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60年代の快挙 ボンドカーにトヨタ2000GT
2013.09.05

名車伝説!「走りを忘れられない大人たちへ」第1回

60年代の快挙 ボンドカーにトヨタ2000GT

著者 谷垣 吉彦

 毎作世界的大ヒットとなる人気映画シリーズ「007」。主人公、ジェームズ・ボンドが運転する「ボンドカー」には世界中のセレブ層から熱い関心が集まります。そのため、アストンマーチンやBMWなど、高級車メーカーから提供されることが多いのですが、唯一このボンドカーになった日本車があるのをご存じでしょうか?

 

ダニエル・クレイグも一押し!

 映画「007」シリーズはイアン・フレミングの小説を映画化したもので、現在も作ればヒットする世界的な人気シリーズです。最新作の「007 スカイフォール」は2013年2月、映画史上歴代7位となる興行収入を記録したほど。

 そんな人気シリーズで常に注目されるのが、ボンドカー。採用されると、「世界一クールな高級車」と認められた感もあるため、メーカーにとって大きな名誉なのは間違いないところです。これまで採用された車種を見ると、アストンマーチン、ベントレー、BMW、ロータスなどの高級スポーツカーが名を連ねています。

 

ダニエル・クレイグも一押し! 世界中で大きなシェアを持つ日本車もぜひ……と期待が高まるところですが、ジェームズ・ボンドのお眼鏡にかなわないのか、なかなか選んでもらえないのが現状です。若者の車離れがささやかれ、日本国内でスポーツカーが売れない中、国内メーカーが魅力的な高級スポーツカーを作っていないことも大きな要因かもしれません。売れ行きとは別に、自動車産業自体に、はつらつとした元気がないことは、やはり気配にさといエンターテイメント業界からはお見通しなのでしょう。

 でもそんな日本の自動車メーカーも、日本経済が右肩上がりでグングン伸びていた時代には、スタイリッシュでクールなスポーツカーを作る心意気を持っていたのです。その象徴と言えるのが、日本車で唯一ボンドカーに選ばれたトヨタ2000GT。「スカイフォール」で主役を務めた、現ジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグも、歴代で一番好きなボンドカーにあげていますから、その魅力はまさにボンドの折り紙付きです。

 

日本が舞台の「007は二度死ぬ」

 トヨタ2000GTがボンドカーに選ばれたのは、1967年に公開されたシリーズ5作目「007は二度死ぬ」でした。その当時、日本のモータリゼーションは成熟にはまだほど遠い、成長真っ盛り。ライバルの日産自動車がフェアレディ、本田技研工業がS800と、魅力いっぱいのスポーツカーを販売する中、トヨタにはこれといったスポーツカーがなく、若者からの人気はいまひとつ、という状態でした。そんなイメージ的劣勢をはね返すべく、トヨタが作ったのが2000GTだったのです。

 一方、「007シリーズ」は1962年に公開された1作目の「ドクター・ノオ」以降、ヒットを連発。… 続きを読む… 続きを読む

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谷垣 吉彦

谷垣 吉彦

フリーランスライター

アダルト層向け商品の販促プランニングや、経営・医療系書籍の企画・立案・執筆など、幅広い分野でライターとして活動する。大阪ミレニアムミステリー賞を受賞するなど、エンターテイメント分野での実績も評価されている。

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