テレビが娯楽の中心だったころ、特撮ヒーローは子どもたちの憧れでした。あれからウン十年、かつて子どもだった人が再び、そんなヒーローたちのグッズにはまるケースが増えています。ウルトラマンや仮面ライダーなどメジャーなヒーローはもちろん、まだまだ埋もれているマイナーヒーローにもこれから日が当たっていきそう。
特撮展に30万人!
東京・木場にある東京都現代美術館で昨年、「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」と題された催しが開かれました。人気アニメ監督が監修した特撮ものの展示会ですが、87日間の会期中に訪れた人は、なんと29万人。全国の美術館や博物館を巡回する形で、今も続けられています。かつて一世を風靡した特撮ヒーローたちが、近年になって再び人気を取り戻しているのです。
流行の中心は、60年代~70年代に作られたもの。日本の特撮ヒーローは、1958年に放送された「月光仮面」「遊星王子」に始まり、60年代半ばから黄金期を迎えます。現在も新しいシリーズが作り続けられている「仮面ライダー」や「ウルトラマン」の他、この時代には野心的な作品が数多く登場しました。
そんな特撮黄金期に子どもだった40代~50代の人たちが、社会的なステータスや経済的な余裕を得た今になって、忘れていたヒーローたちを思い出したことで、大きなブームが生まれたようです。
人気作には今でも大きな経済効果
特撮ヒーローの3大巨頭といえば、なんといっても「仮面ライダーシリーズ」「ウルトラマンシリーズ」「戦隊ものシリーズ」でしょう。いずれも1960~70年代に誕生し、現在まで続く人気シリーズです。通販サイトAmazonで「仮面ライダー」というキーワード検索をかけてみると、2万5,000件以上のアイテムが見つかります。「ウルトラマン」なら約1万件、「スーパー戦隊」4,000件あまりと、大きな市場を作っていることがわかります。
3シリーズとも、現在も新しい作品が毎年作られていますが、経済効果が高いのは、やはり大人が懐かしむ旧作。たとえば… 続きを読む