中小企業金融円滑化法(以下、金融円滑化法)が2013年3月末で終了するため、4月以降「金融機関がリスケジュール(返済条件の変更。以下、リスケ)に応じなくなるのでは」との声が聞かれます。そこで4月以降の金融機関の対応の予測と、継続支援を受けるための条件をご説明します。
金融円滑化法終了後の金融機関の対応
業績の悪化から返済が苦しくなり、リスケに応じてもらっている企業の多くは地域金融機関(地方銀行や信用金庫等)と取引しているかと思います。地域金融機関は地域密着で営業しているため、地元企業の支援に消極的なスタンスは取りづらいといえます。また、後ほど説明する要件をクリアしたリスケならば、不良債権として扱う必要がなく貸倒引当金計上を抑えることができるので、収益を圧迫しないで済みます。したがって、リスケのスタンスを大きく変えることはないといえます。
さらに、金融庁はメガバンクの動きを非常に注視しており、メガバンクもしばらくはスタンスを大幅変更することは難しいと考えられます。
4月以降もリスケの申し込みは可能
リスケをすると通常は要管理先(下表参照)以下にランク付けされ不良債権として扱われるのですが、「1年以内に経営改善計画書を提出する見込みがある場合」、「5年以内(最長10年)に経営再建が達成される経営改善計画がある場合」は不良債権として扱われることはありません。
<債務者区分の具体的内容と金融機関の対応>

現在、金融機関はほとんどのリスケを受け入れていますが、4月以降もこの要件は恒久措置として金融検査マニュアルに存続しますから、該当すればリスケに応じてくれる可能性は高いと考えられます。
4月以降も金融機関は基本的にはリスケなどで支援をしていきますが、経営改善計画書を提出していない、あるいは提出はしたものの経営再建の見通しが全く立たない企業もあります。金融機関はそのような企業を支援する意思はありません。経営改善の進捗状況を厳しく監視しながら、徐々に経営再建の見込みがない企業への支援打ち切りを図っていきますから、リスケの実行率は今後低下すると予想されます。
求められる経営改善計画の内容
ではどのような経営改善計画が求められているのでしょうか。それは「実現可能性の高い抜本的な経営改善計画(実抜計画)」を策定する必要があります。
※経営改善計画書のひな型は、… 続きを読む