課題編では、視聴形態の多様化に伴って放送事業者が取り組むべきテーマについて紹介した。解決編では、そのようなテーマに対してIT領域で取り組むべき解決策について述べていきたい。
ITの領域で取り組むべき施策の概要
メディア業界で取り組むべきテーマとしては、(1)スマートフォンと連動した「マルチスクリーン化」、(2)コンテンツの二次利用を促進する「マルチプラットフォーム対応」、(3)モバイル&タイムシフト化、(4)他事業とのコラボレーションモデル、(5)コンテンツの再強化(高画質化含む)という5つの大きな方向性がある点は前回記載した通りである。これらのテーマに対してITが実施するべき活動としては、2つの方向性が存在する。
◇方向性1:ワークスタイル改革を実現する情報基盤の確立
今後業界の変化に対応していくためには、現在、発生している業務上の課題を解決し、付加価値のあるコンテンツ作成や新たな業務プラットフォーム構築など、企画系の作業にリソースをシフトすることが求められる。そのためには、「ワークスタイル改革」を実現できるIT基盤を構築する必要がある。
◇方向性2:新たな事業シフトのためのIT基盤の構築
マルチスクリーン化、タイムシフトが進むメディア業界においては、従来のテレビという発想を超えてコンテンツを提供・配信し、かつそのコンテンツをベースに他の放送外収益を確保するエコシステムの確立が必須だ。そのために、… 続きを読む