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高稼働率・帯域保証・経路分散を実現する「専用線」
2013.07.19

重要な通信を安定的に確保するネットワークとは?

高稼働率・帯域保証・経路分散を実現する「専用線」

著者 小池 晃臣

 クラウドの普及により、ネットワークを経由して使うシステムがますます増える傾向にある。一方で、肝心のネットワークの信頼性についてはIP-VPNや広域イーサネットであれば十分との認識が定着している。しかし、ビジネスの生命線となる部分でシステムを安全かつスムーズに利用するためには、より信頼性が高く安定して高いパフォーマンスを提供できる専用線の利用が適している分野がある。本稿では専用線に対する誤解を解き、最新の専用線の実力を紹介する。

 

昨今のビジネス事情で高まる「専用線」への期待

 東日本大震災や、さらに大きな被害も想定される南海トラフ巨大地震など、大規模災害に備えたBCP(事業継続計画)の策定・見直しを行う企業が増えている。ほんの一瞬でもビジネスを止めることが許されない事業領域などで、改めて専用線サービスへの注目度が高まりつつある。

 広域イーサネットやIP-VPNの説明で「専用線並み」と表現されるのをよく見かけるが、「並み」というのは全く同等という意味ではない。今回は、なぜより高い信頼性が求められる場面で専用線が利用されるのか、そして最新の専用線の動向について見ていくことにしよう。

 現在、インターネットよりも信頼性の高いネットワークを導入しようとした場合、ほとんどの企業が検討対象として挙げるのは、通信事業者が提供するIP-VPNや広域イーサネットといった、他の利用者と設備を共有するが仮想的に自社専用で利用することができる「公衆網」のネットワークサービスだ。もちろん、これらのサービスは信頼性も安定性も高く、ニーズにそれなりに合致した選択と言えるだろう。

 しかしながら、企業にとって“生命線”とも呼ぶべき、業務停止が許されない分野やサービスの根幹に関わるような分野の収益や社会的信頼に直結するような情報システムのネットワークでは、「エンド・ツー・エンドでの稼働率99.999%以上の信頼性」、「帯域保証100%の安定性と高速性」といった優位性のある専用線の利用が適している。

 

VPNとの信頼性の違い

 まず、専用線とVPNとの違いから見ていくことにしよう。専用線の最大のメリットと言えるのが、信頼性と安定性が極めて高いことだ。
 信頼性を測る値として「稼働率」がある。稼働率が99.99%と99.999%では、どのくらい違うだろうか。99.99%といえば、日常生活では「ほぼ万全」というイメージがあるが、1年間で測ると、52分程度の不稼働時間がある計算となる。99.999%となると、約5分。この違いが重要になるシステムなら、専用線の利用を考えるべきだろう。

 専用線の場合は稼働率をエンド・ツー・エンド、すなわちユーザーの拠点間で測定する。これに対し、VPNの場合は、通信事業者の基幹ネットワークだけの稼働率と、そこに至るアクセス回線を含めたエンド・ツー・エンドの稼働率の両方が存在し、理論上後者の稼働率は下がることになる。専用線は構成がシンプルであることが稼働率の高さ(可用性)につながっている。

 次に、安定性であるが、エンド・ツー・エンドで回線が独立している専用線の場合、VPNとは異なり、他の拠点間のトラフィックの影響を受ける可能性がないため、輻輳(ふくそう)が生じることなく、常に安定した速度での通信が可能となるのである。

 さらに、BCPを考えた場合、広範な地域が被災しても、それ以外の拠点で事業が継続できるよう、ネットワークの二重化を図る必要がある。この点、最新の専用線サービスの中には、被災があっても事業を継続できるように、東京や大阪を通らないルートを指定したり、太平洋側と日本海側でルートを分散したりするなど、メインルートから十分な距離を取って迂回するルートをバックアップルートとして指定をすることが可能なサービスもある。

 

専用線の最新動向

 専用線は、企業向け通信サービスとしての歴史が長いため、大きな変化のない「枯れた」サービスだと考えている人もいるかもしれない。しかし、専用線も従来のサービスとは大きく様変わりしているのである。… 続きを読む… 続きを読む

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小池 晃臣

小池 晃臣

ビジネス誌/書籍、エンタープライズIT誌の編集者を経て2010年夏、株式会社タマクを設立。企業IT、企業経営、地方行政、防災、ものづくり、まちおこしなどを中心フィールドに、執筆・編集・企画を展開中。

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