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“今”しかない! XPサポート切れ徹底対策(前編)
2013.06.14

XPサポート切れを生かせ!PC運用再考の好機第1回

“今”しかない! XPサポート切れ徹底対策(前編)

著者 百瀬 崇

 企業パソコン(PC)のクライアントOSとして使われ続けてきた「Windows XP」の延長サポート終了が迫っている。OSをアップグレードしたり、新しいPCに入れ替えたりと、各社対応に追われているが、この機会に従来のパソコン運用体制を見直す企業も少なくない。というのも、比較的新しい技術やサービスを利用すると、柔軟性が高くリスク低減にも役立つIT基盤を構築することができるからだ。OSの移行に関する問題点を整理しながら、どのような移行の選択肢があるのか、事例を交えて紹介していく。今回は、1万5,000台のPCをアップグレードした企業の例を紹介する。

 

Windows XPサポート切れ対策を始めるのは“今”

 2014年4月9日――。日本マイクロソフトはWindows XPのサポート終了をこの日に設定。それ以降はセキュリティ更新プログラムの提供をはじめとしたすべてのサポートサービスが終了する。

 サポート終了後もWindows XPを継続利用する場合、いくつかの問題が考えられる。ひとつはセキュリティパッチが公開されないためにOSの脆弱性が改善されないこと。二つめはデータベースなどのミドルウェアやアプリケーションが対応しなくなること。三つめはアンチウイルスツールも対応しなくなるので、ウイルス感染が避けられないことだ。

 これらの結果、サポート切れのWindows XPを搭載するPCがウイルスに感染し、ネットワーク上の新しいOSを搭載するPCやサーバーなどに波及。情報漏えいや業務への悪影響に繋がるといったことが予測される。

 こうした危険から逃れるために、企業は対策を講じる必要がある。対応策としては、既存PCのOSを「Windows 7」か「Windows 8」にアップグレードする、PC自体をWindows 7かWindows 8を搭載した新しいものに置き換える、あるいはVDI(Virtual Desktop Infrastructure/仮想デスクトップインフラ)を導入する、といった方法が考えられる。

 では、これらの対策をいつまでに講じればよいのだろうか。例えば、2014年4月までにWindows 7搭載のPCに更改する場合で逆算してみよう。

 2014年3月は年度末なので、PC更改を行なうゆとりはない。そうなると2014年1月から2月までに更改する必要がある。準備期間、移行期間を考慮すると、2013年7月には仕様を決めておかなければならない。

 つまり、Windows XPサポート切れ対策をいつ始めたらいいのか。「それは今」なのだ。

 

まずは確実な対策を打つための計画を立てること

 Windows XPサポート終了への一般的な対策として、既存PCのOSをWindows 7かWindows 8にアップグレードすること、あるいはPC自体をWindows 7かWindows 8を搭載した新しいものにリプレースすることが考えられる。だが、これらの方法にはいくつかの課題が存在する。実際にWindows XPサポート切れ対策を進めているA社の事例からその点について確認してみよう。

 1万5,000台のWindows XP搭載PCを所有するA社が最初に直面した課題は、サポート切れまでに確実な対策を打つための計画を立てること。前述したように、Windows XP搭載PCを所有する企業にとってタイムリミットは間近に迫っている。特にA社のように1万台規模のPCを所有する企業においては、今すぐにでも対策を講じるための計画を立てる必要があると言える。実際、A社は、すべてのPCを移行するのに1年以上かける計画だ。

 次にA社が直面した課題は、既存のPCを当時最新のOSだったWindows 7搭載の新しいものにリプレースすると莫大なコストがかかること。そこでA社は既存PCのOSをWindows 7にアップグレードする方法を選択した。

 

普段からのIT資産管理が効果を発揮

 業務システムがWindows 7に対応していなかったことも課題になった。クライアントPCをアップグレードしたところで、業務システムと連携できなければ意味がない。A社はまず、業務システムをWindows 7に対応させることから作業をスタートさせた。

 次の課題は、既存PC上でWindows 7へアップグレードする方法と手順。単純に各PCについて個別にアップグレードをすればよいという話ではない。… 続きを読む… 続きを読む

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百瀬 崇

百瀬 崇

シピン

フリーライター。ITとビジネス全般を中心に取材・執筆活動を行う。特に情報通信業界での取材経験が豊富で、クラウドコンピューティングやスマートデバイスなどの記事をWebサイトや雑誌などで数多く発表。

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