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クラウド型の登場で全社共通の「UC」導入が容易に
2013.07.04

新しいコミュニケーション環境が必要な理由とは?後編

クラウド型の登場で全社共通の「UC」導入が容易に

著者 岡崎 勝己

 前回で紹介した通り、さまざまな連絡手段を統合する「ユニファイド・コミュニケーション」の利用を通じ「連絡」に関するさまざまな問題の解決につなげることができます。ただし、ユニファイド・コミュニケーションの利用環境の整備にあたっては課題もあります。「システム導入のために高額なコストを負担しなければならない」「システム構築に少なからぬ時間を要してしまう」……今回はこうした問題を解決する手法を探っていきます。

 

音声(電話)とデータの統合

 ユニファイド・コミュニケーションの導入にあたっては、ネットワークの統合が必要になる。まず、拠点内のネットワークがどのように変わるか、見てみることにしよう。

音声(電話)とデータの統合

 現在、音声(電話)のネットワークとPCのIPネットワークが別々に構築されている場合は、それを統合し、音声/データ統合ネットワークに変更する必要がある。これにより、統合ネットワーク上で、IP-PBX機能のみならず、メッセージング機能、プレゼンス機能、会議機能の活用が可能となる。内線電話・外線電話のIP化により、通信コストの削減が実現できるだけでなく、構内配線の統合化、運用者の保守・運用負荷の軽減等も期待できる。
 PBX(構内交換機)はIP-PBXという、IPに対応したPBXに更改することになるが、PCに電話機能を持ったソフトをインストールして、PCで電話をかけることができる(ソフトフォン)。オフィスの形態によっては、ソフトフォンの導入により、電話機を削減することができる場合もあるだろう。
 企業が自社で設置するオンプレミス型のUCを手がける有力ベンダーとしては、アバイアIBMシスコマイクロソフトなどが挙げられる。

 

運用面からみたクラウド型ユニファイド・コミュニケーションサービスのメリット

 IP-PBXは、拠点に設置する場合と、信頼性を重視してデータセンターを借りてそこに設置する場合があるが、いずれにしても、IP-PBXの初期費用、保守費用が拠点単位に必要になってくる。これは、企業にとって大きな負担となる。
 また、トラブルが発生したときの対応も、従来より難しくなる。たとえば電話が利用できなくなったときに、ネットワークの問題なのか、IP-PBXの問題なのかを切り分けるには専門知識が必要になる。

 運用面からみたクラウド型ユニファイド・コミュニケーションサービスのメリット

 このような課題に有効なのが「クラウド型ユニファイド・コミュニケーション」サービスである。
 クラウド型UCでは、企業は設備を所有することなく、事業者がワンストップで提供するため、専門知識が必要なトラブル時の障害箇所の特定もサービス提供事業者に任せることができる。オンプレミス型UCで必要となっていたファームウェアの更新を含むシステムの保守・運用も事業者にて実施するため、運用側で必要となっていた業務負担を大幅に削減可能である。
 オンプレミス型UCの場合、構築までに相応の期間・工程を要するが、クラウド型UCであれば、事業者が提供中のサービスに申し込みを行うだけで利用開始できるため、一から自前でシステムを構築するよりも、利用までの期間を短縮できる。人員配置の変更や増減、拠点の追加、削除にも柔軟に対応できるため、ビジネス環境の変化にも迅速に対応可能だ。
 また、クラウド型UCでは、IP-PBXの機能を含むユニファイド・コミュニケーションの機能を、月額料金で利用できるようになる。過剰なサービスを導入することなく、必要十分な機能だけを導入・変更できるため、IT投資の最適化も可能である。
 つまり、企業が自らUC環境を準備する(オンプレミス)のに比べて、クラウド型UCを利用した方が、保守・運用にかかわる負担が小さくなる/構築までの時間が短くてすむ/IT投資の最適化を図ることができるなどのメリットがあるわけだ。

 ユニファイド・コミュニケーションは、各拠点で統一して導入することでよりメリットが大きくなる。そのため、クラウド型UCサービスの導入にあたっては、導入を予定している全ての拠点で同じコミュニケーション環境が導入可能かどうかも、忘れずに検討しておきたい。
 グローバル展開を行なっている通信事業者では、AT&T(英語)、BT、フランステレコムのグループ会社のオレンジ(英語)、ボーダフォン(英語)、NTTコミュニケーションズなどがクラウド型UCサービスを提供している。ここでは、NTTコミュニケーションズの「Arcstar UCaaS」を例に、クラウド型UCサービスの運用について見ていくこととしたい。

 

情報システム部長のDさんの場合

 「当社もグローバル化への対応が急務だ。現地社員との連絡を密にするために、海外拠点を含めたユニファイド・コミュニケーションの利用環境を整えたいのだが、国ごとにバラバラのシステムを導入している。どうしたらよいのだろうか」

 Dさんが悩むのも当然で、… 続きを読む… 続きを読む

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岡崎 勝己

岡崎 勝己

通信業界向け専門誌、IT情報誌の編集者を経て独立。利用者の立場から見た“技術”の価値をテーマに、ジャーナリストとして活動を展開。得意とするテーマはITと業務改革/イノベーション、ビジネスモデル/人材論など。

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