Bizコンパス

BYODで“コスト削減・生産性向上”その実態は?
2013.05.15

あなたは本当にBYODを知っていますか?第2回

BYODで“コスト削減・生産性向上”その実態は?

著者 Bizコンパス編集部

 関心を集める「BYOD(Bring Your Own Device/私物端末の業務利用)」ですが、一方で誤解や思い込みも広がっています。前回は、BYODはスマホだけに限ったものなのか、他の「デバイス」も対象となるのか、という点について考えてみました。
 今回は、BYODの狙いとされる「コスト削減」について、そしてBYOD導入により生まれるとされる「生産性向上」という効果に関して、一般的な理解と実態の間にどのような食い違いがあるか見てみましょう。

 

「BYODの導入目的は、企業における携帯電話コストの削減である」という誤解

 BYODが一気に注目を浴びた背景には、スマホ時代に入って、企業が社員に貸与する携帯電話コストが上がるのでは、という懸念がありました。機器購入代金、更改頻度、そして月々の通信料アップ(スマホではパケット定額制がほぼ必須で、約3,000円の増加といわれます)といった負担に耐えられないと考えた企業がBYODを検討。おりしも経済は停滞ムード、ITコスト削減策の代表選手として、BYODは大きな期待を背負いました。

 しかし本当にBYODでコスト削減できるのでしょうか。そもそもBYODはコスト削減の手段として適しているのでしょうか?昨年、「BYODがコスト削減にならないと断言できる5つの理由」という記事が注目を浴びたのをご存じの方もいるでしょう。従来以上のセキュリティ対策や多様な機種の管理コスト等をひとつひとつ考えていくと、かえってコスト増になるのではという指摘です。また世の中にさきがけてBYODを導入した著名企業が「BYODをやめた理由」という記事も話題になりました。BYODによるコスト削減はうまく行かないのでしょうか。

 ある事例では、携帯電話を貸与していたときは1台あたりの月額コストが5,000円台だったのに対し、BYODを導入することで会社の負担額は1,000円台となり、BYODにより1台あたり3,000円から4,000円の削減を実現したとされています。通話料の多寡にもよりますが、パケット料金削減やIP電話による通話コスト削減によりこれだけの削減効果をあげたというのです。ただ、数千台という携帯電話を一括契約している大企業では、携帯電話会社から受ける割引サービスのほうが割安になるのでBYODにしても削減にならない、あるいは、オフィスがIP電話になっていない場合にはIP電話アプリからの通話が無料にならないため、通信会社が提供するFMC(Fixed Mobile Convergence/固定・携帯電話の融合サービス)のほうが割安になる、というケースもあります。

BYODのコスト削減効果(事例)

 

「裾野を拡げる」という視点

 ただ、これらの議論は、「従来会社で貸与していた台数をBYODに切り替える」という狭い枠の中にとらわれてしまってはいないでしょうか。

 通常、会社から携帯を貸与されているのは、本当に必要と考えられている社員、例えば幹部社員や営業社員、緊急対策部門などでしょう。しかし「そこまで必須ではないと考えられているけれども、実際には外出するシーンも多く、やむなく個人の携帯を使って仕事をしている」という社員もいます。
 筆者の知る事例では、営業職には貸与しつつ、SE職には貸与していない、といったITベンダーの例があります。実際は営業とSEはペアで外出することが多く、互いに連絡を取り合う際も、SEは個人携帯を使っている。ただ会社としてはSEにまで貸与を拡げる予算はない。

 ここで、BYODで「裾野を拡げる」という考え方が出てきます。… 続きを読む… 続きを読む

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