現実の風景にデジタル情報を重ね合わせるAR(拡張現実)が、いよいよ新世代に突入します。Appleが、より高度なAR技術をiPhone/iPadでサポートして、大勢の開発者が参入する動きが出てきました。これまでとは違った、意外なコンテンツも生まれそうです。
ポケモンGoよりも進化したARとは
ARは、「その場所には実際にはない物体を、存在するかのように見せる」ことができます。iPhone/iPadでは9月19日にリリースされたiOS11で対応(A9以上のプロセッサが必要)し、これを受けて早速、「仮想ドラゴン育成ゲーム」といったような新しいARアプリが登場しています。
iOS11に搭載された新しいARが、「ARKit」という、独自のプラットフォームです。
ARKitの特長は、仮想の物体が、まるでその場にあるように見える点にあります。ARの認知度を高めた「ポケモンGO」は、スマホを向けると、その方向にいるポケモンが映りますが、画面の中に浮いているように表示されますが、ARKitでは、横や反対側に回り込んで見ることもでき、従来よりもリアル感が増します。
なぜこのようなことができるかというと、ARKitでは、現実の空間を把握するからです。画像を絶えず解析しながら、カメラの動きを推定し、仮想オブジェクトを「あるべき位置と向き」に配置します。しかも、大きさも設定したサイズで表示し、影や光の当たり方まで再現します。
何よりARKitは、VR(仮想現実)システムの「Oculus Rift」や「PlayStation VR」のような高価なヘッドマウントディスプレイが不要です。手持ちのiPhoneだけで楽しめるのが魅力です。
ARはアートになる
この新しいプラットフォームは、今年6月に発表され、多くの開発者がコンテンツづくりに取り組んでいます。その中で、「キャラクターだけでなく、もっと違うものを見せればいいじゃないか」、と考えたのが… 続きを読む