写真は、現実に存在するものを写して記録するものですが、米スタンフォード大学の研究チームが、存在しない風景の写真をつくりだす手法を発表しました。合成の一種ですが、膨大なデータを覚え込んだAIが、架空の世界を構築するといいます。

 

写真の要素から新しい画像を再構築

 研究チームが公開した写真は、欧州の街の風景を自動車の車内から写したもののようです。前方には信号のある交差点があり、数台の車が見えます。道路の脇に街路樹があり、人の姿も見えます。ごく自然で、言われなければ、合成とは気づかないでしょう。

 この研究を発表した米スタンフォード大学の博士課程のキーフェン・チェン氏らは、まずドイツ街の道路上で撮った約5,000点の写真をAIシステムに学習させました。AIは、写真に写っている街路樹や車、人などのパーツを覚えます。そして、人間がパーツのレイアウトを指定してやると、その通りに配置して新しい写真を合成するのです。

 きっかけは、ゲームなどで使われるCGに代わる手法を開発することだったそうです。チェン氏は、米ソーシャブルに次のように語っています。

 この手法がビデオゲーム、アニメーション、VRなどで、静止画や動画のレンダリングの代替物になる可能性を、われわれの研究は示している。AIの“画家”が、実際の写真を学習して、ビデオゲームや映画のバーチャルな世界向けのリアルなコンテンツに変換するのだ。

 

ゲームやVRには十分なレベル

 AIは写真の合成が得意です。別々の写真の被写体とタッチを組み合わせることで、全く違う2枚の写真を合成したり、現実の風景や人物を巨匠の絵画風に加工したりできます。そうした機能が手軽に使えるOstagramdeepart.ioのようなウェブのサービスも人気を集めています。

 しかし、チェン氏らの手法は違います。… 続きを読む

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