VR(仮想現実)には、ゲームだけでなく、さまざまな活用法があります。身体を危険にさらすことがないため、普通では不可能なことをリアルに体験できるのが特徴です。
そんな中、悲惨な交通事故を体験するVRコンテンツが公開されて、話題になりました。作ったのは、ブランデーの「ヘネシー」やウイスキーの「ジョニー・ウォーカー」で知られる英国の酒造メーカー、ディアジオです。
事故を起こす車に同乗体験
交通事故のVRコンテンツは「Decisions」(飲んで運転するという悪い決断)というタイトルで長さは約4分半。男女三人のグループ、夫婦、一人で運転する女性の三組が登場し、それぞれの車でそれぞれの行き先へドライブします。ただし一人の女性はその前に酒を飲んでいました。そして、無理な追い越しをして、3台の車がからむ大事故が起こります。
映像は、登場人物と一緒に車に乗っている視点になっており、車が突然飛び出してくる様子や、急ブレーキ、フロントガラスが粉々になって飛んでくる様もVRでリアルに再現します。ペシャンコになった車から這い出した女性が、事故現場を見て呆然とするところで画面は暗転します。最後に飲酒運転が重大な事故につながることを警告するメッセージが流れて終わります。
VRとして見るためには、「Samsung Gear VR」「Oculus Rift」「Google Daydream」などのヘッドマウントディスプレイやスマートフォンが必要ですが、通常映像(マウスで角度は変えられる)ならば、とりあえずYouTubeで見ることができます。
新しいメディアとしてのVR
酒造メーカー、ディアジオがこのVRコンテンツを制作したのは、飲酒運転の危険性をアピールするためです。米国家運輸安全委員会によると、11月末の感謝祭から年末年始を挟んだ休暇シーズン、飲酒運転関連の死傷者は1日平均… 続きを読む