AIのビジネス利用で、コールセンターや音声ヘルプは有力分野です。いろんな質問にコンピューターが答えてくれて、ユーザーの満足度が高いとなれば、活用は大きく広がりそうです。
そんな中、NASA(米航空宇宙局)が、火星についてのさまざまな質問に答える「NASA Mars」を発表しました。アマゾンコムが家庭向けに提供しているAIサービス「Alexa(アレクサ)」用のアドオンアプリです。
NASAがアマゾンのサービスにアドオン提供
「Alexa」はアマゾンの音声アシスタントで、円筒形のスピーカー「アマゾンエコー」や、そのバリエーションで今春発売した「エコードット」「アマゾンタップ」から利用します。天気やスケジュールの質問に答えたり、音楽をかけたりでき、アップルの「Siri」やグーグルの「Google Home」のライバルともいえる存在です。
「NASA Mars」を使うには、まず「Alexa、NASA Marsを有効にせよ」と声で命令して、アドオンを有効にします。質問は、たとえば、「火星はどのぐらい離れているのか」「なぜ火星は赤いのか」といったことに答えるほか、火星探査車(ローバー)の「キュリオシティ」が、現在どこにいて、何をしているのかなどを教えてくれるとのことです。
NASA Marsは、アマゾンが11月末に開いた開発者・パートナー会議「re:invent」で発表されました。米ギークワイヤによると、NASAジェット推進研究所(JPL)のCTO(最高技術責任者)、トム・ソーダーストロム氏は、その場で次のように述べています。
明日から、アマゾンドットやアマゾンエコーから火星についての質問ができるようになります。これによって、惑星探査の全てが分かるようになります。クラウドソーシングを利用して、人々が新しい質問をしながら、火星に関心を持ち、理解できるようになるのです。
既に500万台が売れたアマゾンエコー
アマゾンは、Alexaを使い勝手の良いものにするため、パートナー戦略をとっています。サードパーティのサービス提供者がアドオン「Skill(スキル)」を通して自身のサービスをAlexa上で提供できるようにし、アマゾン側も自社のサービスを拡充できるという仕掛けです。
Skillには、配車サービスのUber、宅配ピザのドミノなどさまざまなものがあり、その数は既に… 続きを読む