東日本大震災から5年。そして、最近もネパール、チリ、アフガニスタンなどで大きな地震が被害をもたらしました。地震研究は、世界レベルでの取り組みがますます求められるようになっています。そんな中、米カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)の研究者が、スマートフォンのアプリを使って、クラウドソーシングで地震情報を収集する試みをスタートさせました。これまで観測の目が届かなかった地域もカバーすることができると期待されています。
スマホの加速度センサーで揺れを検知
開発したアプリ「MyShake」は、スマートフォンが内蔵する加速度センサーで、地震の揺れを検知する仕組みです。常駐して、いつ地震が起こっても検知できるよう省電力で動作します。検知したデータはGPSの位置情報と合わせてUCバークレーのコンピューターに送られ、解析されます。
このプロジェクトを率いるバークレー地震研究所長で地球惑星科学部学部長のリチャード・アレン博士は、テクノロジーニュースサイトのライブサイエンスに、こう述べています。
スマートフォンがポピュラーになり、その上で動作するソフトウェアを書くのも簡単になった。われわれは、どのスマートフォンにも搭載されている加速度計を、地震の記録に使える可能性があることに気づいたのだ。
アプリはUCバークレーのチームと、ドイツテレコムの協力で開発しました。スマートフォンの加速度センサーの動きの中から、歩行やダンスや、落下を識別して、地震ではないものを93%まで除外し、マグニチュード5以上の地震を記録できるとのことです。
また、110キロ四方のエリアに300台のスマートフォンがあれば、震源地、マグニチュード、発生時間を特定でき、スマートフォンの数が多いほど精度は上がるといいます。最終的な判断は、地震観測の「カリフォルニア統合地震ネットワーク」のデータとのクロスチェックをして行うとのことです。
現在、Android用アプリがGooglePlayで無償公開されており、これまでに約10万人のユーザーがダウンロードしているようです。またiPhone版の準備を進めています。プロジェクトのウェブサイトでは、どのように地震が検知されたかも見ることができます。
地震観測の空白地帯を埋める… 続きを読む