サイバーセキュリティは、進化し続けるネットワーク技術に対応し、新手の攻撃に備えねばなりません。ベンダーには技術力が勝負です。そのベンダーの技術力をうかがい知るには、特許は重要な要素です。法務サービスを提供しているインドの企業、LexInnova Technologiesが、ネットワークセキュリティを特許の面から概観したレポートを発表しました。
激動のネットワークセキュリティ業界
ネットワークセキュリティ市場の特徴は、動きが速いこと、複雑なことだとLexInnovaのレポートは指摘しています。用途に合わせてさまざまなセキュリティ技術を組み合わせて利用する必要があり、時にルーターやスイッチなどのハードウェアも利用します。
このような背景もあり、大手の力は強大ですが、なお競争が激しい業界で、ベンチャー企業も数多く登場しています。
ネットワークセキュリティ業界は競合が激しい市場で、Cisco Systems、Symantec、McAfeeなどの大企業が独占している。これら大手は市場での自社の地位を守るべく継続的にイノベーションすると同時に、よく企業買収を行っている。ネットワークセキュリティ分野のベンチャー企業の約80%がIPO(新規株式公開)を行っているか、平均して10倍の投資対効果になる金額で買収されている。たとえばFireEyeは2013年にIPOしており、シスコは2014年に27億ドル(約3300億円)でSourcefireを買収している。企業の買収合併(M&A)の理由は主に2つ挙げられる。1つ目は包括的なサイバーソリューションの提供のため、2つ目は、競争により古い企業になることを恐れてのことだ。
ネットワークセキュリティには、「ネットワークインフラセキュリティ」「データセキュリティ」「アクセス管理」「ファイアウォール」「通信の暗号化」「侵入検知」などの区分があり、今後さらに種類が増えると見込まれます。
この分野別に特許件数を見ると、最も多いのがセキュリティプロトコルで、5622件。次いでアンチウイルスの1875件、ID・アクセス管理の1841件が続きます。
最大特許ホルダーはシスコ
LexInnovaの調べでは、世界で最も多くのネットワークセキュリティの特許を持っている企業は、ネットワーク機器最大手の米シスコシステムズです。その特許保有数(取得、出願数)は6442件。2位が… 続きを読む