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クラウドを有効活用したベトナム進出のススメ
2012.11.21

中小企業におけるグローバル化の進め方

クラウドを有効活用したベトナム進出のススメ

著者 鈴木 光勇

 低迷長引く日本経済を打破する秘策はあるのか? そのひとつとして提唱されているのが、中小企業の世界進出、すなわちグローバル化である。アジアは世界経済を牽引する有望市場であり、日本はそのハブとなることのできる大きな可能性を持っている。かつて、グローバル化は大企業が中心であったが、現在ではクラウドの進化によって、中堅企業でも容易となった。そのクラウドの活用方法から探ってみたい。

 

グローバル化を身近にするクラウドの進化

 経済においてグローバル化とは、一言でいって「市場の拡大」を意味すると考えていい。古く冷戦の時代は東西で市場が分断されていたが、1989年のベルリンの壁崩壊以降、世界がひとつになった。一部の地域を除き、地球の人口およそ70億人を相手に、商売可能な時代となったのである。
 だが、このグローバル化の黎明期、日本は内需拡大に走りバブル経済を謳歌していた。バブル崩壊後もその成功体験からなかなか逃れることができず、国内相手の商売に終始してきた経緯がある。この国内のみの商売で成功して来た体験が、グローバル化に乗り遅れた、すなわちガラパゴス化の原因になった。世界標準ではない、日本にのみ特化した製品やサービスに固執してしまった。ひたすら努力してきたことは認めるが、その方向を取り違えていたのである。
 脱ガラパゴスが叫ばれるようになって、グローバル化はますます注目されるようになってきたが、まだまだハードルは高い。とりわけ中小企業にとって、グローバル化は投資、人材、知識などの面からどうしても着手が後回しになりがちだ。ところがここに、従来のハードルを一気に下げるITシステムの利用形態が現れた。それが「クラウド」である。

 すでにご存じの方も多いだろう。ハードウェアやソフトウェアを資産として持たずにインターネットを経由して各種サービスや情報を利用することができるものである。このように、インターネット上に用意されているサービスを共同利用するクラウドを「パブリッククラウド」と呼ぶ。逆に自社あるいはグループ企業内でクラウドを構築して、独占的に利用する形態もあり、こちらを「プライベートクラウド」と呼ぶ。中小企業に大きなメリットを提供するのは、前者のパブリッククラウドだ。

 

クラウド活用のメリットとは

 クラウドのメリットとして最も注目されやすいのが「初期投資費用の削減」であろう。何しろハードウェアもソフトウェアも自分で購入する必要がないから、構築コストを下げることができる。ITシステムは最低限の投資で抑え、残る資金があったら、マーケティング、顧客創造、製品開発などに投資した方が競争力を高めることができる。
 次は「スピード」である。筆者はクラウド最大のメリットは、このスピードにあると考えている。世界への進出を決定してから、システムを企画設計し構築を開始しては、時流が変わってしまう。グローバル化のみならず、先進国のベンチャー企業の多くがクラウドを利用して、スピーディな市場進出に成功している。素早く進出できることは、素早く変化あるいは退出できることにほかならない。チャンスの大きな市場の多くはリスクも大きい。チャンスが拡大したらすぐにシステム規模を拡張できること。逆に、政情が変わったり、災害に見舞われたりしたら、規模の縮小さらには撤退も考えなければならない。失うものを少なくすることもグローバル化の心構えのひとつだ。
 またクラウドを利用すれば、高品質な運用を低価格で手に入れることができる。運用のポイントとなるのはトラブルの削減とセキュリティだ。クラウドの多くは自社構築システムよりも、安定稼働ならびに万一のダウン時における迅速な復旧が保証されているので、安心して使用できる。一方、システムに対する攻撃は日々進化・悪質化しており、これを一企業で対処するのは困難な時代となっている。これにも、多くのクラウドでは最高レベルの対策が用意されている。現在、機密情報が漏洩してしまうと、企業の存続さえ危なくなる。たとえ機密情報がなくても、自社システムを踏み台にされ、他の企業に甚大な迷惑をかけてしまう。セキュリティの確保はあらゆる企業の重要な責務である。
 多言語化に対応するアプリケーションを提供するクラウドサービスもある。日本語と英語はもちろん、中国語や韓国語など、画面表示を簡単に切り替えて利用できるのである。このようなサービスを利用することで、人的リソースの代替を図ることも可能だ。

 

最大の市場はアジアにある

 中小企業グローバル化のハードルが下がったことはご理解いただけただろうか。では、どこへ進出するべきか。… 続きを読む… 続きを読む

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鈴木 光勇

鈴木 光勇

ITライター

1980年代から第一線でコンピュータ・通信技術を観察し、ライターとして活躍。記事執筆および著書多数。

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