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「データドリブン」とは?基本知識とITツール選びのポイント
2021.02.03

DX推進に必要なテクノロジー

「データドリブン」とは?基本知識とITツール選びのポイント

著者 Bizコンパス編集部

 多くの企業は、自社の商品やサービスを改善する際に、ユーザーの購買行動などのデータを参考にしているでしょう。このことを「データドリブン」と呼びます。 

 これまで無意識にデータドリブンを行ってきた企業も、データの活用を行ったことがない企業も、改めてデータ収集・分析・活用の重要性を理解すれば、今後の意思決定に取り入れる余地ができるかもしれません。

 今回の記事では、データドリブンの基本を説明しながら、データドリブンを成功に導くためのポイントなどを紹介します。

データドリブンとは?

 データドリブンとは、膨大な情報を蓄積するビッグデータ、解析アルゴリズムによって処理された分析結果に基づき、ビジネスの意思決定や課題解決を行うことを指します。

 企業の意思決定や企画立案において、経験や勘を頼りにしている方も少なくないはずですが、データドリブンとは、そういった行為とは真逆の考え方・行動です。データ収集・分析・可視化・意思決定/アクションの4つの柱で構成されている次世代型の業務プロセスと言えるでしょう。

データドリブンマーケティングとは?

 データドリブンマーケティングとは、その名の通り、データドリブンによってデータを分析し、それに基づいてマーケティング戦略を立てることを指します。

 マーケティングを効果的に行うには、例えば市場の動向や、ユーザーのWebサイトでの動き、購買行動をできる限り正確に吸い上げることが必要です。これらの作業を徹底することで、経験や勘に頼ることなく、確かな情報の裏付けがあるマーケティングが可能になります。

データドリブンが注目されている理由

 そんなデータドリブンは、コンバージョン(CV)を追求する企業から注目を集めています。理由としては、以下のものが挙げられます。

■ デジタルマーケティングの技術が発展したため

 デジタルマーケティングとは、その名の通りデジタル上で行われるマーケティングのことで、動画サイトでCMを流すことや、インターネットで検索した際に表示される検索結果ページにリスティング広告を掲載させることなどを指します。

 スマートフォンが普及した昨今、デジタルマーケティングは紙媒体に比べてより人の目にとまるため、多くの企業がこのマーケティング手法を取り入れています。

 それに伴い、デジタルマーケティングの技術も複雑かつ高度に進化しています。高度なデジタルマーケティングを行うためには、正確なデータ収集が必要不可欠なのです。

■ ユーザーの購買行動(顧客行動)が複雑化したため

 ネット通販などの普及により、ユーザーはリアルとデジタルの間を行き来して購買行動をするようになりました。実店舗で高品質なものを安く売れば儲かる、とは言い切れない時代になっています。

 特に、店舗や商品に関する情報がデジタル上に溢れているこの時代において、ユーザーの購買行動に結びつくものを特定するのは困難です。口コミを重視するユーザーもいれば、ブランドなどの付加価値を重視するユーザーもいます。

 ユーザーが重きを置いているものを客観的に把握するための手法として、データドリブンマーケティングが注目されています。

■ 無駄なマーケティング施策を排除するため

 マーケティングを実施するためには、ある程度のコストがかかることがほとんどです。その上、自社に合わないマーケティングを行ってしまうと、費用対効果が悪く、利益につながりません。

 うまくいっている他社のやり方を導入したとしても、ユーザーや市場の特性が異なるため、自社ではうまくいかないケースもあります。

 その点、データドリブンマーケティングで自社が対象とする市場やユーザーの情報を分析すれば、無駄を省いた最適な施策が見えてくるでしょう。

データドリブンを行う人材に必要とされるスキルとは?

 データドリブンによってデータ収集・分析を行うにあたって必要なスキルは多いです。特に必要なスキルは、以下のようなものでしょう。

■ データ分析能力

 データ分析といっても、ただ単に分析するだけではいけません。データドリブンの概念を意識する必要があります。データドリブンは意思決定の手助けをする存在であるため、それに従ってデータ分析を行う必要があります。

 例えば、データ分析をしている際、CVにつながったユーザーのうち90%がSNSからの流入だったとしましょう。その場合、SNS運用に力を入れれば、さらなるCVを獲得できるかもしれません。データドリブンの概念でデータ分析を行うことで、行うべき施策がはっきりします。

■ ロジカルシンキング

 ロジカルシンキングとは、筋道を立てて論理的に思考することです。例えば、CVにつながった営業手法をデータドリブン的にロジカルシンキングで深掘りしていくと、「なぜ」の繰り返しで営業データを分析することができます。

 なぜCVにつながったのか、なぜこの金額で契約が取れたのか…さまざまなことを深掘りできれば、データをもとに仮説を立てて、さらに効果的な手法にチャレンジできるでしょう。

■ ITリテラシー

 ITリテラシーとは、情報技術を表すITと、識字率を表すリテラシーが組み合わさった造語です。データドリブンを中心としてITリテラシーというスキルを考えると、「収集したデータを分析する際に、そのデータを活用していいのかを判断する力」と言えます。

 特に昨今では、個人情報が簡単にインターネット上で拡散されてしまうことも珍しくありません。企業にとって有益であるはずのデータですが、その扱いによっては企業に社会的なダメージを与える可能性があることを認識しておかなければなりません。

データドリブンを成功させるために必要なこととは?

 データドリブンとは「データに基づき、アクションする」というシンプルな意味ではありますが、ただ闇雲に行えば良いというものではありません。データドリブンを成功させるために必要なことを説明します。

■ データの収集

  データをもとに分析を行い、意思決定をするのですから、当然ながらデータ収集をする仕組みが必要です。

 しかし、多くの企業では、企業内にデータが散在しています。データドリブンの目的・優先度を明確にし、データウェアハウス(DWH:業務で発生した各種情報を時系列別に保管したデータベース)を導入するなどし、散在しているデータを収集・管理する仕組みを構築することが重要です。

■ データの可視化

 データの可視化も、データドリブンに欠かせない要素です。データを収集・管理する仕組みがあっても、データを可視化することができなければ、分析することもできません。

 例えばGoogleアナリティクスなどの解析ツールを導入し、データを可視化し、集計しやすくする仕組みづくりも必要です。

■ スキルのある人材による分析・アクションプランの検討

 データ収集・可視化まで済んだら、分析・アクションプランの検討を行います。分析・アクションプランの検討は、先述した「データドリブンを行う人材に必要とされるスキル」を持った人材が行わなければいけません。

 データから何かを導き出したり判断したりする作業は、企業の行く先を決める重要な行為です。この工程をスキルのある人材に任せることで、データドリブンの成功に近づくことができるでしょう。

■ デジタルに理解あるマネジメント層のもとでアクションプランの実行

 最後に、分析から決定に至ったアクションプランの実行です。ここでポイントとなるのは、組織の上層部(マネジメント層)がデジタルに理解があるかどうかです。

 例えばデータを基にしたデジタルマーケティングのアクションプランを提案しても、組織の上層部がWeb広告などの知識や理解が薄いと承認されないケースもあります。デジタルマーケティングやデータ分析の重要性を理解し、なおかつ組織を統率できる人材がマネジメント層に求められます。

データドリブンを支援する6つのツールについて

 ここまで、データドリブンの基本と、それを成功させるために必要なポイントなどを説明してきましたが、データドリブンをより円滑に進めるためには、いくつかの支援ツールが必要になります。

■ BI(ビジネスインテリジェンス)

 BIは、企業戦略の決定において、その企業が持つさまざまなデータを集積・分析するツールです。BIツールによって、レポート作成・統計分析・クエリ実行・記述的分析を高速で行えます。データをもとに企業の意思決定を行うデータドリブンにおいて、重要なツールのひとつです。

■ DMP(データマネジメントプラットフォーム)

 DMPは、企業が収集したユーザーのデータやインターネット上のログなどを分析し、活用していくためのプラットフォームです。その中でも、自社で収集したデータに沿って独自のアクションを行うものは「プライベートDMP」とされています。レコメンドや既存顧客へのメール配信などの分野における利用率が高く、重要な支援ツールと言えます。

■ MA(マーケティングオートメーション)

 MAとは、マーケティングの作業やワークフローの合理化・自動化・測定を行うツールです。主に、購入見込みのあるユーザー情報を管理して、案件につなげるために使われます。

 マーケティング領域のさまざまな分析機能およびマーケティングアクションを自動化する機能を持っているため、マーケティング活動を効率化するツールといえます。

■ CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)

 CRMとは、個人名を特定できるユーザーの基本情報や購買履歴、クレームにいたるまで、ユーザーに紐づく多くの情報を管理するソフトウェアです。もともとはユーザーとの関係を強化するマネジメント手法という意味で使われていましたが、近年ではマネジメントを強化するための支援ツールもCRMに含まれます。

■ Web解析ツール

 Web解析ツールとは、先ほど触れたGoogleアナリティクスなど、自社Webサイト上でのユーザーの行動や、検索結果での自社サイトの位置などを可視化してくれるツールです。

 PV(ページビュー)やUU(ユニークユーザー)など、サイトの訪問者数や滞在時間、回遊率などの行動を細かく把握できるのが特徴です。Googleアナリティクスの他にもAdobeアナリティクスなどがあります。

■ SFA(セールスフォースオートメーション)

 SFAは「営業管理システム」と呼ばれ、営業プロセスや営業進捗を管理・効率化してくれるツールです。案件管理や営業レポートの作成など、営業活動を効率よく実施するための機能が備わっています。

 コール数や成約につながった訪問の件数などを把握できるため、SFAでのデータを分析し、営業課題を抽出することもできます。 

データドリブンを支援するツールを選ぶポイントとは?

 実際に業務プロセス上でどのような分析結果が必要なのか、といった明確な目的がなければ、「どのような機能が必要なのか」「どういったデータを蓄積すればいいのか」といったことが不透明になってしまうこともあります。

 データドリブン支援ツールの多くはクラウドを活用するため、その企業が備えているインフラ、IT環境、利用者のITスキルによって導入難易度が変化します。データドリブンツールが必要とする要件と企業の設備やシステム、利用者のスキルにミスマッチが生まれると、データドリブンのためのツールの活用には時間がかかってしまうでしょう。

 しかし、正しくアプローチを行えば、優れたデータ収集・分析・効果的な意思決定やアクションを行うことが可能です。利用者のスキルを見極めることはもちろん、データドリブンを活用する業務モデルの検討、導入前検証を行うことで、データドリブンを行う目的が明確になり、より自社に合ったツールを選ぶことができるでしょう。

 費用対効果も、ツールを選別する上で重要な要素です。要件によっては、ツールのすべての機能が必要ではないこともあるので、自社に合った機能を無駄なく備えており、適切なランニングコストで利用できるツールを選ぶことがポイントになります。 

各企業の取り組み事例について

 各企業はデータドリブンで、どのようなビジネスを行っているのでしょうか。データドリブンでサービス品質向上や新たなビジネス創出をしている企業の取り組みを紹介します。

■ メットライフ生命保険株式会社

 メットライフ生命保険は、経営戦略のひとつの柱として、ビッグデータを活用したデータドリブンなビジネスに取り組んでいます。

 データ活用力が生命保険ビジネスの競争優位に直結すると考え、ユーザーがどのような商品に興味を持ったか、その確度はどのくらいかなどを、データを活用・分析し、次の商品やサービス開発に生かしています。契約後も、保険請求やクレームなどのデータを分析することで、商品やサービスがお客さまの期待通りに受け入れられたのかなどを把握し、次の商品・サービス開発に生かしています。

詳しくはこちら

■ 中外製薬株式会社

 中外製薬では、AIをはじめ最先端のデジタル技術と、多様かつ大量のデータを取得・解析し、新薬開発プロセスの革新と遺伝子レベルで患者個々の体質・病気に最適化された治療法の実現を目指しています。

 しかし、従前のIT基盤は、複数のオンプレミスシステムで構成されていたため、研究・解析に必要な環境を整えるだけで数ヶ月もの期間が必要で、開発期間長期化の一因となっていました。そのため同社では、新たに「全社データ利活用基盤」を構築。従来6カ月ほどかかっていた共同研究に必要なIT環境の構築が、約2週間で完了できるようになったといいます。

詳しくはこちら

データドリブンで成長し続ける企業へ

 データドリブンとは、データを収集・分析し、その結果に基づいて企業の事業戦略を決定するためのものです。

 何か新しいサービスを始める時や、サイト改善を行う際、データドリブンによる意思決定をすることで、より適切にサービス品質の向上ができるようになる可能性があります。企業を成長させ続けるためには、データドリブンによる意思決定が必要不可欠といえるでしょう。

※掲載している情報は、記事執筆時点のものです。

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