狭いようで意外に広い日本。土地に根付いた県民性には興味深い違いがたくさん見つかります。お付き合いする中でNGとなることや、知っていると喜ばれることなども多々あります。
本連載では「ビジネスに役立つ全国お国柄辞典」と題し、各都道府県における「知られざるルール」を紹介します。第3回は「岩手県」を取り上げます。
冷麺にスイカはデフォルト! 冬は豆腐で暖まる
東北の太平洋側にある岩手県の県庁所在地は盛岡。人口は約128万人(2015年2月時点)といいますから、東京都の約10分の1程度です。全国生産量の25%を誇る木炭や40%のワカメなど、海山の幸に恵まれた県です。
寒い岩手でなぜかソウルフードとなっているのが冷麺。盛岡冷麺が有名ですが、県内どこの焼き肉屋さんでも、本格的な冷麺が食べられます。
実はこの冷麺を広めたのは、朝鮮半島北部で生まれ育った青木輝人という人です。彼が昭和29年に開業した「食堂園」という焼肉店で冷麺を出したのが始まり。その後、岩手県中に広まり、今では独自の食べ物として親しまれています。夏場にスイカを入れるのは、岩手ではトッピングではなく初期設定なのだとか。
冷麺が夏の定番なら、冬の定番は豆腐です。特に盛岡市は消費量が多く、全国の県庁所在地別ランキング(2013年)では那覇市に次いで2位となっています。もちろん豆腐料理も豊富で「のっぺい汁」「寄せ豆腐」などは岩手県を代表する郷土料理です。もともと同県では馬の飼料として大豆が多く生産されていたこともあり、それを利用し作る豆腐料理が盛んになったと言われています。
他にも前沢牛やわんこそばなど土地に根付いたグルメが多く、どれを食べるのがよいのか迷いがちですので、訪れた季節によって選ぶのがよいかもしれません。… 続きを読む