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何のために合併・買収する?企業戦略としてのM&A
2015.11.13

あなたの企業も狙われている?M&Aの功罪とは第3回

何のために合併・買収する?企業戦略としてのM&A

著者 伊達 諒

 前回は、M&Aの負の側面であるリスクについてみてきました。今回は、M&Aをどのように活用すればよいのか、あるいは、M&Aを活用することでどのようなことができるのかといった主にプラスの側面について解説していきます。

 

事業戦略としてのM&A

 伊勢丹と三越が統合、損保ジャパンと日本興亜損保が統合というように、M&Aは日常茶飯事のように行われています。これらのM&Aは、突然湧いて出てくるとうことではなく、いずれかの企業が事業戦略の1つとしてM&Aをすることを選択したからです。

 事業戦略を立案する場合、マーケティング的な発想からすると、自社の強みと弱み、外部環境における機会と脅威を認識した上で、自社としてどのような取り組みをしていくことが利益を最大化するのかを総合的に判断していくことになります。そして、自社の弱みをどのように補完するか、また、競業他社からの脅威をどのように回避するかを具体的に検討します。その際、弱みを補完する手段あるいは競業他社からの脅威を回避する手段としてM&Aが利用されるのです。

 たとえば、自社において、若者向けの顧客(20代)に対しては支持を得ているものの、それら顧客の年齢が上がるにつれて他社に移っていってしまうという問題がある場合に、OL世代(30代)に強みをもつブランドを買収するという選択が考えられます(弱みの補完の例)。また、競業他社が合併等により規模を拡大している場合に、自社においても他社の規模の拡大に負けないよう合併を計画するということがあります(脅威の回避の例)。

 

異業種へ参入するため、業態を拡大するためのM&A

 新たな事業展開として異業種に算入する場合にもM&Aは利用されます。たとえば、現在は飲食業やっているけれども、少子高齢化により今後介護ビジネスの成長が見込めるとして、すでに介護ビジネスを行っている企業を買収するなどです。

 もちろん、事業戦略として新たに介護ビジネスを開始することも可能ですが、人材の確保やノウハウを一から構築することは困難を伴うので、すでに成功している企業を買収する方が簡単というわけです。

 たとえて言うなら、家具が欲しい場合に、木を購入してきて加工して自分で作ることもできますが、出来ている家具を買った方が早いし機能も優れているということです。企業においても全く同じで、すでに成功している会社を買収してしまえば、その成功している事業を手にすることができるのです。

 

事業統合としてのM&A

 先ほど、脅威の回避のところで規模を拡大するために合併をする例を挙げましたが、最近は事業統合する企業が増えています。

 その理由は何かというと、… 続きを読む… 続きを読む

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伊達 諒

伊達 諒

エコノミスト、コンサルタント

日本銀行で金融機関の経営分析、厚生労働省で政策の調査業務などを経て、現在に至る。金融、経済、経営、会計、税、行政と幅広い分野での執筆活動をしている。MBA、CFP、1級FP技能士の資格を保有。

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