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ビジネス誌の経営術は御社に当てはまらない?
2015.05.14

ビジネスの局面に覚えておきたい「使える知識」第5回

ビジネス誌の経営術は御社に当てはまらない?

著者 横山 研太郎

 みなさんも、稲盛和夫氏の「アメーバ経営」について、雑誌などで目にしたことがあるのではないでしょうか。稲盛氏といえば、京セラやKDDIを創業した、日本を代表するカリスマ経営者の一人です。その「アメーバ経営」の実践例として日本航空を再建するときに導入した「部門別採算制度」は、多くの経営者に影響を与えています。

 「アメーバ経営」は、稲盛氏の言葉を借りれば、「現場の社員一人ひとりが自主的に経営に参加する全員参加経営」によって実現できるものです。どうしても「売上至上主義」に走ってしまい、高利益体質になることができない会社を生まれ変わらせることができる方法のひとつで、私も、すばらしい経営手法だと思っています。

 一見すると、従業員たちに「経営者目線で仕事をしろ」と伝えることと同じようにも思えますが、そう簡単なことではありません。基本となるルールがわからないままに、取り入れ方を間違えると、会社に大きな傷跡を残す方法でもあります。どのような点に注意しなければならないのか、事例を交えてお話しましょう。

 

「部門別採算制度」の間違った実践例

 A社は、全国展開する中小メーカーです。シェアは2、3番手でしたが、革新的なコストダウン策で、他社よりも安い原価を実現しました。

 ただ、強いコスト意識を持った従業員がいないので、ただの安売りになってしまうことを、社長(以下、A社長)は懸念していました。

「せっかく大幅コスト削減をして競争力をつけたのに、これではなかなか売り上げを伸ばすことができない」

 そこでA社長は、雑誌でチラッと目にした「部門別採算制度」を導入することを思いつきました。「これなら一気にトップに立てる!」と自信満々でした。

 部門別採算制度を導入して、まず初めにすべきことは、従業員の意識改革です。各部門のリーダーは、小さな会社の経営者として、「売上最大、経費最小」という基本から、人間性や目標を達成する意志などといった経営哲学を身につけなければなりません。そして、その考え方を、全体にまで伝えていくのです。

 しかし、A社長は、「部門別採算制度を実施すれば会社が良くなる」と思い込み、リーダー教育をしていませんでした。ここから、A社が迷走していきます。… 続きを読む… 続きを読む

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横山 研太郎

横山 研太郎

ねこのてFP事務所 代表

富士通株式会社退職後、メーカーの経営サポート等を行う。現在は、ファイナンシャル・プランナーとして、資産運用を柱としたアドバイスをするだけでなく、学生への金融教育にも取り組んでいる

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