新しい施設が次々とオープンし、変化し続ける街、ロンドン。特に注目なのが、ロンドン五輪のレガシー(遺産)を活かした広大な公園。そのすぐ側にある、これまた巨大なショッピングモールとともにご紹介します。
子どもも大人も楽しめる
「ハロー、何かお手伝いしましょうか?」
2012年に開催されたロンドン五輪の跡地にできた公園「クイーン・エリザベス・オリンピック・パーク」で、公園のロゴのついたピンクのTシャツを着た女性が声をかけてくれた。オリンピックが終わってからも、その跡地の公園でボランティアをしているションタールさんだ。
「この公園には、ウィークデイでも地元の家族連れなどがたくさんやって来るんですよ」
フレンドリーな彼女に、公園内のおすすめを聞いてみた。
「メインスタジアムの手前を右に曲がってずーっと奥まですすんでいくと、木やロープでブランコや吊り橋が作ってあるタンブリング・ベイ・プレイグラウンドというのがあります。そこは大人でも楽しめますよ」。
パーク内を北に向かって10分ほど歩いていくと、確かにターザン気分(?)で楽しめそうな木製の遊具が待ち構えていた。学校のある時間だったせいか子どもは誰もおらず、二組の大人のカップルがはしゃぎながら遊んでいた。
こちらも負けじとロープでつるされたブランコに乗り、子どもなら3人が同時に滑りおりられそうな幅の広い滑り台にもトライ。大人でも声をあげたくなるほどだから、子どもたちにはきっと喜ばれるに違いない場所だ。
大都会の中の大自然
約3億ポンド(約519億円)をかけて改装をとげたオリンピック・パークは、このプレイグラウンドを始め、オリンピック当時にはなかった施設も新たに加えられている。ところどころにカフェや、飲み物やスナックを扱う売店もあるので、散策やピクニックをするのにぴったりだ。大きさは約2.26kmで、ハイド・パークと同じくらい広大だ。地域の自然の生態系を取り戻そうと4,000本の植樹をし、野生植物の茂る風景を再現している。園内の川や湿地帯には水鳥や魚、昆虫の姿も見られる。環境に配慮し、サステナブル(持続可能)な五輪を目指したロンドン・オリンピック跡地にふさわしいものになっている。
数々の競技がくり広げられた会場の建物を眺めているだけでも楽しいが、この公園のほんとうの素晴らしさは、大都会ロンドンの中にあって、イギリスらしい自然と生き物たちに触れられることだろう。… 続きを読む