噴水を囲んで、楽しいランチ
かつて私が、オランダの某企業に勤務していたときのこと。朝からPC画面にのめりこんだまま、身じろぎもせず仕事に集中している同僚らが、午前11時すぎになると決まって、そわそわしはじめるのを不思議に思っていた私。どうやら彼らは、ランチについて話し合っているようなのである。
「今日は、どこで食べる?」
「そうだね、●●●●はどう?」
「やっぱり、あそこしかないよね!」
「じゃ、決まり!」
ということで、彼らは●●●●と呼ばれるカフェだかレストランで、ランチをすることにしたようだ。ならば今日こそ、ぜひ私も!ということで、彼らのランチに同行させてもらうことにした。
「●●●●って、そんなに美味しいの?」と私が尋ねると、
「???」
私の顔を、穴が開くほど見つめる同僚。
「そこって、レストラン? それともカフェかなにか?」
そう言った私の顔をみて、彼らはいっせいに吹き出した。なんでも●●●●というのは、会社の近くにある噴水の名前なのだという。つまりその噴水を囲みながら、みんなで一緒にランチをするというのだ。ならば、話はわかった。オランダらしく、チューリップなんぞが咲き乱れた美しい庭園内にある、巨大な噴水を眺めながら、ピクニック気分でランチをするのだろう。と、そんなことを想像したら、なんだかものすごく嬉しくなった。
しかし期待は見事に大はずれ。… 続きを読む