いくら大きなビジネスチャンスがあるからといって、まったく未知の市場に参入することは、どんな企業にとっても勇気のいることです。今回はリスクをできる限り少なくして、大きなチャンスをものにしていく『仮説志向計画法』を紹介していきましょう。
いきなり大きな市場の参入を目指すベンチャー企業の増加
最近日本でも、創業間もないベンチャーが日本市場よりも、いきなり大きな市場への参入を目指すケースが増えてきています。
たとえば、電動バイクの製造・販売を行うベンチャー企業であるテラモーターズは、スマートフォンと連動した電動バイクの新製品を発表しましたが、目標として2年で10万台の販売を見込むうち、海外向けで9割を目指すそうです。
電動バイク市場は日本ではまだまだ規模的に小さいものであり、今後の急速な成長も期待できないために、すでに大きな市場があり、さらに成長が見込める新興市場、特にアジアで大きな展開を狙っているのです。
また、電動車椅子を製造・販売するWHILLは、アメリカのカリフォルニアにも拠点を設け、大規模な資金調達を現地で行い、2014年中には開発した電動車椅子をアメリカを中心に販売していく計画を立てています。
ただ、これらベンチャー企業にとっての問題は、勝手知ったる日本市場でさえ成功することが難しいのに、現地のマーケット事情や商習慣、インフラ、競合他社などに関して十分な情報を得ることができないニューマーケットでは予想もできない困難が待ち受けているところにあります。
見ず知らずの市場で大きなリスクを避けるためには?
ベンチャー企業が、これまで参入したこともない未知の市場で成功を収めるためには、数々の厳しい条件をクリアしていかなければいけませんが、未知の市場でリスクをできるだけ低くして事業を軌道に乗せるための戦略に、『仮説志向計画法』というものがあります。… 続きを読む