NTTコミュニケーションズ

Bizコンパス

DXの潮流、CDOの挑戦
2019.08.23

デジタルトランスフォーメーション最前線第2回

なぜ日本でDXが進まないのか? 企業が陥る「あるある」を解説

著者 Bizコンパス編集部

 デジタルトランスフォーメーション(DX) に取り組む意欲はあるものの、何からどう取り組めば良いのかがわからず立ち往生している企業は少なくありません。 DXをどうとらえ、どう付き合えば成果に結びつくか、ITコンサル歴30年のレイヤーズ・コンサルティング加藤道隆氏がDXに関する疑問や悩みに答えます。

 

多くの企業が陥る、「PoC倒れ」と「クラウドあるある 」

 ITに関わる人たちの周りでは、「自社でもDXを」という声を耳にする機会が増えているかもしれません。レイヤーズ・コンサルティング加藤道隆氏は、「DXをやりたいけれど、どうすればいいのかわからない、と頭を抱えている企業は多い」と話します。

「そもそも社内の困り事をデジタルで解決しようとしたまではいいですが、最初から『ツールに飛びついてしまう』ことが、一番の問題です。

 よくあるのが『Amazonが無人店舗をやったらしい』『A級棋士が将棋でAIに負けたらしい』といった事例を聞き、そんなスゴイものがあるならぜひウチの会社にもAIを、などと考えるパターンです。特にRPAは、そのパターンが多いです。IT子会社やベンダーを呼んでRPAのPoC(Ploof of Consept)、要はトライアルをやるわけですが、RPAで実現したいゴールイメージがないからトライアルだけで終わってしまう。これを我々は、PoC倒れと呼びます。

 クラウドの話もよく聞きます。『顧客管理や案件管理に便利で、スグに始められる』点にメリットを感じクラウドサービスに加入したけれど、一部社内で十分に活用されないまま月々の利用料を払い続ける。これがいわゆる“クラウドあるある”です 」

 このような悩みを抱える企業に対して、加藤氏は「原点に戻ることの大切さ」を説きます。

「要は、イノベーションをどう起こせばよいかという話です。

『パソコンの父』と呼ばれたアラン・ケイをご存知でしょうか。彼は1970年代前半、PCさえ存在しない時代に『コンピューターの部品は全てディスプレーのサイズに収まり1000ドルで買えるようになる』と未来を予測し、現在のタブレットの原型ともいえる概念を示しました。彼はそれを実現するべく革新的な研究成果を次々に挙げ続けます。そして今、彼が四半世紀前に思い描いたタブレットPCは現実のものとなり、世界を席巻しています。

 未来のイメージを描いて行動し、予測を現実にする、これがイノベーションの原則です。イノベーションは、まず『やりたいこと』をイメージできるかどうかにかかっています」

 

改善ネタは、組織の“境界線”に潜んでいる

 DXでやりたいことをイメージするのは、日本企業が長らく得意としてきた「改善活動に他ならない」と、加藤氏は説明します。… 続きを読む

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