成功事例・先進事例に学ぶワークスタイル変革(第1回)

サイボウズが挑んだ“楽しい”働き方改革の進め方

2018.04.04 Wed連載バックナンバー

 昨今その言葉を目にしない日が無いほど、さまざまなメディアで取り上げられている「働き方改革」。先進的に取り組んできた企業の成功事例を取り上げ、変革の手法をひも解くという趣旨で、2018年2月に新潟で開催されたのが「経営視点で捉える働き方改革セミナー」です。その中から、国内トップシェアのグループウェア開発会社であり、多様な働き方改革を実践しているサイボウズ株式会社執行役員の中根弓佳氏の講演を取材しました。

 

離職率28%!長く働いてもらえる環境の創出が急務

 サイボウズ株式会社(以下、サイボウズ)は、国内トップシェアのグループウェア開発会社であり、多様な「働き方改革」を実践していることで知られています。創業は、ITベンチャー企業がインターネットを活用した新しいビジネスを続々立ち上げた1997年。現在の社員数は連結で735名(2017年12月末、派遣社員等含む)、平均年齢は34.6歳、女性社員が約4割と比較的多いことが特徴です。

 同社執行役員を務める中根弓佳氏は、サイボウズが働き方改革を推進することになった契機について振り返ります。

「当社が多様性のある働き方への移行を踏み出すきっかけは、2005年までさかのぼります。当時の従業員数は100名ほどでしたが、離職率が28%もあったのです。1年間で28人ということは、2週間に1回、退職の挨拶が行われ花束が贈られていたということになります。社員は辞めるけれど、商品は売れていましたので、業務自体は減りません。当然、採用を行わなくてはならないのですが、100人足らずのベンチャー企業はまだ知名度も低く、中々優秀な人材を集めることは難しかったのです」

 よい人材が集まらないのならば、既存の社員により長く成長を遂げつつ働いてもらわなければならないと、同社は考えました。

 そのような時、同社は2007年に企業理念の転換に踏み切ります。当時インターネットビジネス全体の追い風もあり、同社は積極的にM&Aを行い、売上は倍以上、時価総額は3倍以上を達成しました。しかし、社員は次々と退職していくわけです。そのとき、根本的な疑問にたどり着いたと中根氏は言います。

「そもそも、私たちは会社を大きくしたかったのだろうかという疑問です。確かに規模は大きくなったし、売上も伸びたけど、決して幸せとは言えませんでした。そこで、既存の社員に『(仕事の中で)どんなことをしている時がいちばん楽しいか』を尋ねました。開発メンバーは『新しい機能を開発して、お客さまに便利になったね。ありがとうと言われた時』と答え、営業スタッフは『グループウェアのおかげで、社内のコミュニケーションが良くなったと感謝された時』と言いました。そのとき、私たちが目指すべきものを再認識しました」

 それまで、「ITを通じて世界の豊かな社会生活に貢献する」という理念を掲げていた同社は、2007年「チームワークあふれる社会を創る」という理念に、方針を転換しました。

 

1人の女性社員が契機になり“選べる”短時間勤務を制定

 当時IT業界には、厳しい労働環境を表す「7K(きつい・帰れない・給料が安い・規則が厳しい・休暇がとれない・化粧がのらない・結婚できない)」という言葉がありましたが、サイボウズも例外ではありませんでした。そんな折、離職率28%の中で制度を見直す契機となったのは、ある女性社員が… 続きを読む

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