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ボッシュの働き方改革成功のカギはボトムアップ
2017.03.29

企業の働き方はどう変わっていくべきか第4回

ボッシュの働き方改革成功のカギはボトムアップ

著者 Bizコンパス編集部

 近年、性別や年齢、学歴、国籍などにかかわらず、多様な人材を積極的に活用する「ダイバーシティ」の考え方が社会や企業において重視されています。とりわけ女性の活躍の場を広げていくことは、企業の働き方改革の課題と言えるでしょう。ボッシュ株式会社では育児・子育て・傷病者を対象に在宅勤務制度を運用していましたが、2015年11月に一般在宅勤務制度を導入。同社の取り組みについて紹介します。

ボッシュ株式会社について

 世界的にビジネスを展開するボッシュは、1911年にビジネスを日本でも展開。モビリティソリューションズ(車載用品・部品)、産業機器テクノロジー、エネルギー・建築関係テクノロジー、消費財の4つの事業領域において幅広い製品を提供しています。革新的で信頼性の高いものづくりを行うと同時に、ワークライフバランスの実現やダイバーシティの推進にも注力し、多様な勤務形態と制度の拡充に取り組んでいることも同社の大きな特徴と言えます。

 

ダイバーシティ推進の一環として在宅勤務制度の拡充を検討

 ボッシュグループは、1886年にドイツでロバート・ボッシュによって創業。創業者自身の考えにより、100年以上も前に8時間労働制や土曜の午後半日休暇、有給休暇制度を導入するなど、ワークライフバランス重視の考え方は、現在世界約150カ国で事業展開するグループに受け継がれています。またグローバル企業として、ダイバーシティを重要な経営戦略の1つに掲げています。

 日本法人であるボッシュ株式会社においても、ダイバーシティ推進は重要な取り組みであり、「性別(ジェンダー)」「世代」「国際性」「企業文化」というテーマを掲げて、多様な人材が活躍出来る環境を整備すべく、各種施策を導入。人事部門人材開発グループのセクション・マネージャーの千葉幸司氏は、その概要を説明します。

 「2008年ころから4つのテーマのうち『ジェンダー』をフォーカスポイントとし、まず女性の活躍を推進する取り組みを強化し、人事評価の面でも性別の差異はなく、ポテンシャルの高い女性を登用する方針をとっています。掲示物による意識改革や女性社員同士のネットワークづくり、管理職向けのダイバーシティ研修などのほか、2011年から育児・介護を行う従業員を対象に在宅勤務制度を導入、2013年には対象を傷病者まで拡大しました」

 

全社への意識調査をもとに従業員によるワーキングチームが発足

 今回の在宅勤務制度拡充のきっかけとなったのが、2012年に実施されたダイバーシティに対する意識調査です。調査結果を基に課題を抽出し、人事部門主体で対応するものと従業員主体で検討するものに分別。2014年1月に従業員主体の組織である「Diversity@bosch Japan」が創設され、「タイムマネージメント」「在宅勤務研究会」「育児・介護と仕事の両立」というテーマ別に3つのチームが作られました。

 「今の人事のポジションに異動する前に、私自身もこの「Diversity@bosch Japan」の活動に参加し、在宅勤務研究会のメンバーとして、活動の開始から制度の導入まで携わってきました。この在宅勤務研究会は、異なる部署の男女7名から成り、新しい働き方の提案とモバイルワーキングの推進を目標に活動をスタート。制度面の課題抽出に加え、ホームオフィスを推進している企業を訪ね、先進事例のヒアリングなどを行いました。そして我々が考える“あるべき姿”を構築しました」と千葉氏は振り返ります。

 さらに、同社の主要拠点を回る活動内容の発表会やIT部門のイベントにチームとして参加して働き方改革におけるITツールの重要性をPRするなど、地道な啓蒙活動を継続。約1年間の第1期任期期間内に新制度のトライアルに至りました。

 

良好なトライアル結果を経て新制度がスタート

 2015年4月、在宅勤務研究会第2期がスタート。新たに製造部門に所属する製造課の課長職の方(間接人員)と生産ラインを技術的にサポートする生産技術職のメンバーが加わりました。「通例、工場など製造現場に近い従業員が在宅勤務を利用するのは、『現場主義』という製造業の原則から考えれば困難と思われるでしょう。しかし我々は必ずしもそうは考えず、どうすれば可能かを共に検討するべく、このようなメンバーにもチームに入ってもらったのです」(千葉氏)

 2015年の2月、3月に実施したトライアル後のアンケートでは、業務効率に関して95%が「オフィスと同等、もしくは向上した」と回答。ワークライフバランスについては80%以上が「向上した」という回答でした。

トライアル後のアンケート結果

  チームはこれらの結果をまとめて在宅勤務制度の改定案を提出し、同年7月に役員会にて同案に対する承認を得ました。その後、チームによる組合や従業員への説明会実施を経て、同年11月に「一般在宅勤務制度」として正式導入を果たしました。一般在宅勤務制度においては、在宅勤務に適した業務を担う従業員すべてを対象に、月40時間以内の在宅勤務が認められています。

 導入後に実施された調査結果では、上司から見た生産性においては… 続きを読む… 続きを読む

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