ビッグデータ時代において、いかにデータを有効活用するか。それがデジタルトランスフォーメーション(DX)実現のカギとなり、企業の競争力にも大きな影響を及ぼします。大量のデータを効率的に蓄積・処理できる仕組みを構築するため、企業の経営資産ともいえる基幹システムのデータベースのクラウド化も不可欠となりつつあります。
しかし、クラウド化に興味を持ちながらも、セキュリティやコスト面などの不安から、最初の一歩が踏み出せない企業も少なくありません。データベースをクラウド化し、DXを成功させるためには何が必要なのでしょうか。
そうした悩みに応えるべく、エンタープライズ領域で広く使われているデータベース管理システム「Oracle Database(オラクルデータベース)」をテーマにしたセミナーが、2019年7月22日に都内で開催されました。今回はオラクルデータベースを「セキュアに低コストでクラウド化する方法」について解説します。
アプリ改修を最小限に抑えられる、オラクルデータベース
「データベースのクラウド化」をする上でのオラクルデータベースの強みとして、オラクルコーポレーションの柴田長氏は、「ほぼ全てのプラットフォームで動かすことができる点」を挙げます。
「オラクルデータベースは、ハードウェアを選ばず、ほとんどのOSもサポートしています。そのためプラットフォームを変える際にも、オラクルデータベースはそのまま使い続けることができます。アプリケーションの改修を最小限に抑えられる点は、大きなメリットといえます」
続けて柴田氏は、ビッグデータ時代のデータベースに求められる機能として「スケーラビリティ」と「可用性」を挙げます。オラクルデータベースにおいて、それら高める機能として紹介されたのが「Oracle Real Application Clusters(RAC)」です。RACは、サーバー間での超高速データ通信によって、複数のサーバーから1つのデータベースに同時アクセスを実現する機能です。
「複数のサーバーを立てて1つのデータベースを管理することで、リソースが足らなければサーバーを追加することで処理性能を高められるようになります。また障害などで1台のサーバーが停止したとしても、残りのサーバーでデータベースのサービスを継続できる。システムを停止しないローリング・メンテナンスも可能になります」
柴田氏は、「オラクルデータベースは40年以上の継続的な開発によって、高性能、高可用性が追求されてきました。セキュリティ技術は米国政府の要求に応え続けてきたもので、各国の国防において多数の実績があります。それらの技術は、オラクルクラウドにも受け継がれています」と強調。現在も、「企業にとって最も安全で可用性の高いデータベースであり続ける目標を持ち、開発を進めています」と続けました。
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