2019.02.08 Fri

 工場内の機械とインターネットを接続し、可視化や最適化を行うデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいます。IoTやビッグデータ活用で大きな成果を生み出した先進企業が出現する一方で、「最初の一歩が踏み出せない」という企業もまだまだ多いのでは。

 今回は、シスコシステムズ合同会社 デジタルトランスフォーメーション事業部の服部正明氏と、NTTコミュニケーションズ株式会社IoT推進室長の宮川晋氏に、IoTを推進する具体的なアプローチ方法や確実に成果を出すための勘所を解説いただきました。

 

スマートファクトリー構築は製造業のデジタルトランスフォーメーション

 服部氏は、シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)でデジタルトランスフォーメーション事業を率いています。

 インターネットの発展と歩みを共にしてきた、シスコ。同社の現在のミッションは“安全につなぐ”ことです。同社デジタルトランスフォーメーション事業部 業務執行役員 事業部長の服部正明氏は、コラボレーションシステムで人と人を、IoTでモノとモノを“つなぐ”テクノロジーを追求していますと述べます。

「なぜ、つなぐことに注力するのか、それはつなぐことにより劇的なイノベーションが起こせるからです。その典型的な例がUberやAirbnbで、彼らは自家用車とクルマで移動したい人をつなぎ、民家とその地域で泊まりたい人をつなぐことで成功を収めました。製造業界も、つなぐことで大きく変化します。スマートファクトリーは工場内の機械とIT機器を接続し可視化や最適化を行うデジタルトランスフォーメーション(DX)ですが、これによって非常に大きな経済効果が生み出されることがシスコの調査で明らかになっています」

 ここでの重要なキーワードは「デジタルツイン」だといいます。これは、工場や製品などに関わる物理環境を、そのままデジタル上でリアルタイムに再現することです。製造現場である工場や製造する製品を、あたかも物理環境の“双子”のようにデジタル上に作り出し、シミュレーションを行うことによって実際の工場の制御と管理を容易にします。デジタルツインを構築すれば、物理環境を使った実験が不要になり、過去にさかのぼって何が起こったかを検証することも簡単に行えるようになります。

 

IoT活用の先行企業はすでに大きな成果を上げている

 スマートファクトリーに取り組み、すでに実績を挙げている工場もあります。服部氏は、ビッグデータ活用による生産データの見える化先行事例としてオムロン草津工場を挙げました。

 この工場ではFA(Factory Automation)用のコントローラを生産しており、その一部にプリント基板製造があります。管理端末からデータを取得して各ロットがどういう工程にどれだけ時間をかけているかを可視化し、時間のかかったロットに関して生産ラインのどこに問題があったかを過去にさかのぼって分析できるようになりました。富士通山梨工場でも、プリント基板製造でオムロンと同様の見える化の仕組みを導入。さらに作業員の動線を記録した画像情報も加え分析の精度を上げました。

 

工作機械を直接ネットワークに接続するいま、シスコは工場IoT化を包括的にサポート

 工場全体をIoTで最適化するにはそれを支える統合インフラが重要で、そこでは高レベルのセキュリティも欠かせないと服部氏は語ります。… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

このテーマについてもっと詳しく知りたい

Bizコンパス編集部

Bizコンパス編集部

関連キーワード