2017.10.25 Wed

 いまやITの活用は多岐にわたり、駅のコンコースなどに掲出される大型広告や店頭のPOP広告などの分野にもデジタル技術の導入が進んでいます。高い印刷技術を核に幅広いビジネスを展開する大日本印刷株式会社は、写真や絵に動きを与える光投影技術「変幻灯®」(※)を用いた次世代POP広告をNTTコミュニケーションズと共同開発し、2017年3月から販売を開始しました。そこで変幻灯の概要や共同開発の背景、展開事例や今後の展望などを伺いました。

※「変幻灯」は日本電信電話株式会社の登録商標です。

【大日本印刷株式会社について】

 1876(明治9)年に創業され、国内外数多くの顧客や生活者に対し、幅広い分野で多様な製品やサービスを提供する世界最大規模の総合印刷会社である大日本印刷株式会社(以下、DNP)。出版印刷・商業印刷から、食品・飲料などのパッケージ、建材、ディスプレイ製品、電子デバイスなどへ事業領域を広げ、今日では環境・エネルギー、ライフサイエンスなどの分野でも事業を展開しています。長い歴史の中で培ってきた技術や経験を生かし、社会や企業、生活者の課題を解決する未来の“あたりまえ”をつくり続けています。

 

常に鮮度が求められるPOP広告業界

 DNPでは、「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」「環境とエネルギー」という4つを成長分野に据えて事業展開を行っています。その中で、「知とコミュニケーション」の分野においてPOP広告などの設計・デザインを担当しているのが、情報イノベーション事業部C&IセンターのSP設計開発部です。各種店舗の店頭POP広告から展示台・販売台、さらにはスペースデザインまでの領域において、製品の企画から設計・デザイン、試作品の制作まで、幅広い業務を展開しています。

 同社SP設計開発部の部長を務める村上浩氏は、部署の特徴やPOP業界で現在求められていることについて解説します。

 「店頭のPOP広告は、構造が非常に重要です。デザインはもちろん、使い勝手を含め、お客様にきちんと構造を提示するための試作品が不可欠であり、素材は紙からアクリルなどの樹脂まで多様で、最近はデジタル技術も導入されてきました。POPの世界は、とにかく鮮度が求められます。従来のやり方を踏襲していても、生活者は振り向いてくれません。見た目の新しさはもちろん、使い勝手や売場展開の可能性を広げるような新しさなどが常に求められているのです。ですから新しい素材や技術を見つけて、それを取り込むことに貪欲でなければなりません」

 村上氏は店頭などにおける来店者の意識に関連して、「ロジカル・ファースト、エモーション・エンド」というキーワードを挙げます。POPなどの構造物は、きちんとした理論がベースになっていることが必要ですが、最後は見る人の感情に訴えるものでなければならないということです。目にした瞬間に感じる驚きや感動が購買意欲を左右するといいます。

 

写真や絵が動き出す、不思議な投影技術

 常に新しい技術などにアンテナを張っている村上氏の部署は、NTTコミュニケーション科学基礎研究所が開発した「変幻灯」という投影技術にどのようにして出会ったのでしょうか。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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