Bizコンパス

IT部門長=CIOではない?拡大するCIOの役割
2015.05.19

日本CIO協会に聞く

IT部門長=CIOではない?拡大するCIOの役割

著者 Bizコンパス編集部

 「経営とITの融合」の重要性が叫ばれる中、企業にとってIT戦略の重要性はますます高まっています。また、企業経営や事業展開におけるITの裾野は拡大、進化しており、IT戦略の最高責任者であるCIO(Chief Information Officer/最高情報責任者)の果たすべき役割はますます高度化、複雑化しています。しかし、いまだ日本ではCIOの役割や責務の認知があいまいで、多くの企業が専任のCIOを置いていないというのが現状ではないでしょうか。

 今回はCIOの育成に取り組む日本CIO協会に、日本の企業におけるCIOの役割、そしてCIOのつくり方、育て方についてお話を伺いました。

 

CIOを定義できない激動の時代が訪れている

 日本CIO協会は、ITおよびエンジニアリング領域の専門人材を軸としたソリューションを提供する株式会社パソナテックを母体に2004年に設立された非営利組織です。多様な業界のCIOの取り組み事例を紹介するセッションを定期的に開催し、CIOの正しい役割を伝えるとともに、CIOの社会的地位向上や、CIO同士の人脈形成、次世代の人材育成を活動目標としています。

 日本CIO協会では日本のCIOに求められる3つの役割として、「インフォメーション」「インテグレーション」「イノベーション」というキーワードを提示しています。

 しかし、この設立当初から掲げてきたCIOの役割が、いま大きく変わろうとしています。日本CIO協会の副会長を務める木村正治氏は「日本にCIOを根付かせる目的から、設立当初はCIOの役割を定義する必要がありました。しかし、現在はCIOの役割が変革の時期を迎えており、Chief “Information” Officerというような一義的な定義は無意味になりつつあると言えます。ここ2、3年、ソーシャルサービス、モバイル、ビッグデータ・アナリティクス、クラウドの複合語であるSMACに代表されるように、ITの領域が情報システムの枠を超えてビジネスの末端にまで急速にすそ野を拡大しています。すべてをカバーするには、これまでとは違った視点でCIOの役割について考える必要があるのです」と問題を提起します。

 IT部門でキャリアを積んだプロがCIOに就任する、従来のセオリーも見直す時期が訪れているといいます。木村氏は「IT部門内のみでスキルアップしたCIOが、企業経営のすべてを見渡すのは容易ではありません。IT部門だけでなく、経営企画などのさまざまな部門をローテーションして広い視野と見識を持つことが、CIO育成のポイントになるでしょう。日本CIO協会では、そういう議論を活性化できるような組織を目指しています」と語ります。

 

これからの時代のCIO適任者は誰だ? 

 もはや企業の情報システムを見守り、育てていくことだけがCIOの役割ではありません。例えば、製造部門が製品に電子部品を組み込み、マーケティング部門がビッグデータをもとにオムニチャネル戦略を練り、物流部門がトラックに搭載したチップで位置情報を把握する状況で、必ずしもIT部門のトップがCIOに適任という時代ではなくなってきています。

 木村氏は「さまざまな事業部門にITの要素が浸透しているため、各事部門のトップにもCIOの資質が求められています。各事業部門の取り組みをふかんできることがCIOの条件になってくるため、CEO(最高経営責任者)がCIOを兼任する企業も出てきています。もちろん、依然としてIT部門のトップがCIOの企業も多く、絶対的な正解はありません。企業の状況、環境、戦略によってCIOの在り方は変わってきますので、まずは経営層と各部門のトップが一緒になって最新の状況を把握し、経営戦略とIT戦略の両輪を回すための仕組みづくりを考える必要があります」と解説します。

 また、経営戦略を加速させるIT戦略を打ち出すためには、… 続きを読む… 続きを読む

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