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鹿島建設が実現したグローバルなBIM活用基盤とは
2015.05.08

事例に学ぶグローバルビジネスを支えるクラウド環境第5回

鹿島建設が実現したグローバルなBIM活用基盤とは

著者 Bizコンパス編集部

 公共工事の復調や円安といった市場背景を受け、建設業界が再び活況を呈しつつあります。しかし、一時の不況に伴う人員削減や若者の建設業離れもあり、その活況に見合う人員が確保できていないという現実があります。そのような中、建築プロセスの生産性に大きく貢献する可能性を持つBIMが注目を集めています。データ容量が膨大なことと高い機密性を持つことから、ネットワーク上での活用が難しいとされていたBIM。鹿島建設は、どのような手法でグローバルに利用できるBIMの活用基盤を構築したのでしょうか。

 

建築プロセスの効率化に革命を起こすBIMとは

 国内で「スーパーゼネコン」と呼ばれている大手総合建設会社の一社である鹿島建設株式会社(以下、鹿島)は、1840(天保11)年創業という古い歴史を持っています。道路、鉄道、トンネル、橋梁、ダム、発電所などの社会インフラから、公共施設や高層複合ビルなどの建設を通して、我が国の発展や国民の生活を支えてきた、まさに建設業界のリーディングカンパニーといえます。特に近年では、超高層ビルの建設や海外における大規模プロジェクトに数多くの実績を残しています。

 このような事業展開を続ける鹿島がここ数年積極的に取り組んでいることの一つがBIM(Building Information Model)の活用です。BIMとは、建築物の形状(3次元CADデータ)と、建築部材、地理情報など、さまざまな属性情報を持ったデータベースから構成されており、現在、建設業界において急速に普及が進んでいます。

 同社でBIMの導入推進を統括している建築管理本部 建築技術部 担当部長の矢島和美氏は、次のようにBIMの特長やメリットを説明します。

「従来は2次元の膨大な数の図面を基に、建物を造りながら問題点を発見し、お客さまや設計事務所と打ち合わせを行って解決策を見いだし、工事を進めていました。BIMでは、建物全体をコンピュータ上で3次元のバーチャルな建物を構築し、建築前にシミュレーションを行って問題点の洗い出しをすることができます。そのデータから施工に必要な2次元図面を瞬時に展開することもできますし、部材の寸法や材質、数量なども属性情報として保有しているので、そのまま調達のデータとしても活用できます。まさにその建物全体のデータベースが構築されるわけです。BIMの導入によって建設業界が得られるメリットは計り知れないものがあると思います。」

 

クラウドを利用してBIMのプラットフォームを構築

 鹿島では2011年度から建築プロジェクトにおけるBIMの活用を開始。R & Dベースで利用する企業は多いものの、実際に施工現場でBIMを活用しているゼネコンは、現在でも鹿島一社であるといいます。従来、データのやり取りはFTPサーバーを介して行っていましたが、BIMデータは容量が膨大なため、転送に数時間かかるという状況でした。同時に機密性を保持しなくてはならないため、データ共有は社内ネットワーク内に限られていました。

 BIMの利用が増加する中で、初期のモデリング作業を海外の協力会社に発注する必要が発生しました。それはBIM導入計画時から想定していたことであり、鹿島では数年をかけてインド、フィリピン、韓国のモデリング会社においてBIMオペレータの育成を行ってきました。さらに、このような体制のもとでモデリング作業の効率を上げるために、BIMのベースになっているソフトである「ArchiCAD」の「TEAMWORK」という同時作業機能をグローバルに使えるプラットフォームの構築が不可欠になったのです。

 その構築業務を推進するという白羽の矢が立ったのは、建築管理本部に着任したばかりの遠藤賢氏でした。着任初日にBIMプラットフォームの構築を指示されたといいます。

 遠藤氏は、「BIMデータは1プロジェクトあたり数百MBと容量が大きく、機密性が非常に高いため、データ共有が社内ネットワークに限られ、社外との協働作業が難しいという課題がありました。それを解決するには、クラウド上にプラットフォームを構築し、万全のセキュリティレベルを確保した上で、社外からもインターネット経由でアクセスできる環境が必要でした」と、新しいシステムに求められた基本的な要件を挙げます。BIMの利用は加速度的に拡大する可能性があるため、オンプレミスでの構築ではなく、迅速に拡張が可能なクラウド基盤の利用が前提となりました。

 

社内ネットワーク提供の優位性と信頼性を高く評価… 続きを読む… 続きを読む

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