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ビッグデータとは?基礎知識からメリット・事例まで紹介
2021.03.22

DX推進に必要なテクノロジー

ビッグデータとは?基礎知識からメリット・事例まで紹介

著者 Bizコンパス編集部

 ビッグデータは、あらゆるところから集められた、大量かつさまざまな形式のデータのことで、分析をすることでビジネスの質向上に役立ちます。

 しかし、一口にビッグデータと言っても、その重要性やビジネスにもたらすメリットが不明瞭な場合もあるでしょう。

 今回は、ビッグデータの基本情報をおさらいしながら、ビッグデータがビジネスにもたらすメリット、ビッグデータを活用するために必要なことなどを説明します。

ビッグデータとは?

 ビッグデータは、単純に、「大量のデータ」を指している言葉ではありません。さまざまな種類や形式を含み、日々膨大に生まれ、記録される時系列性・リアルタイム性があるデータを指します。

 そのため、ビッグデータには明確な定義はありませんが、企業が使用するマーケティング用語としては一般的な言葉となっています。

ビッグデータの種類

 ビッグデータに含まれるデータの中には、「構造化データ」「半構造化データ」「非構造化データ」の3種類があります。

■ 構造化データ

 構造化データとは、数値や文字列などのデータを指し、二次元の表形式に表せるデータのことをいいます。人間にとって読み取りやすく、分析しやすいデータ構造です。具体的には、Excelなどで管理できるデータなどを想像するとわかりやすいかもしれません。

■ 半構造化データ

 半構造化データとは、XMLなどの文字列となるデータで、データ構造に起こすことはできますが、構造化データほどわかりやすく表すことは難しいデータです。具体的には、XMLのほか、HTMLなどのデータ構造を指します。

■ 非構造化データ

 非構造化データとは、画像・SNSデータ・位置情報・センサーデータ・音声・動画・閲覧履歴など、規則性を見出せないデータのことを指します。

 ビッグデータの中では昨今、特に注目を集めており、SNSや動画サイト、キャッシュレス決済など、日々さまざまな種類の非構造化データが私たちの周囲を飛び交っています。

ビッグデータの歴史

 日本で「ビッグデータ」という言葉が使われるようになったのは2010年頃からですが、ビッグデータという概念が生まれる前から、我々はビジネスなどにおいて測定した数値をデータとして活用してきました。これを効率化してくれたのが、コンピュータです。

 コンピュータの起源は計算機であり、主に演算処理に使われていたコンピュータが扱っていたデータは構造化データのみでした。しかし、パソコンの登場やプログラムの進化により、数値以外にも、文書・画像・音声・動画などといった非構造化データも扱えるようになったのです。

 ただし、最初から「構造化データ」「非構造化データ」という言葉があったわけではありません。最初はRDB(リレーショナルデータベース)が登場し、RDBのテーブルに合うものを構造化データ、それ以外のものを非構造化データと呼ぶようになったという歴史があります。

 ちなみに、現代で定義されている非構造化データはRDBで扱うことはできません。データベースは時代の需要に応えるように変遷していき、現在はGoogleやAmazonで実装されている、非構造化データも扱えるNoSQLを採用する企業が増えています。

 また、AIの登場も、ビッグデータの応用をめざましく進歩させました。AIを利用すると、SNSユーザーの書き込みを自動で判別し、例えば「好感」「不快感」「どちらかといえば好感」などに分類することができます。

 つまり、統計を取るよりも詳しい形で「同じような感じ方、考え方を別の言葉で語っている」人々の声を集められるのです。よりミクロで、よりマクロな社会の全体図が示されると言ってもいいかもしれません。

ビッグデータが普及した理由

 ビッグデータが普及したのは、コンピュータ(後のパソコン)やインターネットの急速な発展によるものが大半ですが、大きく分けると、3つの段階を踏んで普及してきました。

 第一段階は、「データのデジタル化とコンピュータの高速化」、第二段階は「インターネットの発展」、第三段階は「ビッグデータの始まり」です。

 第三段階に拍車をかけたのが、「Hadoop(ハドゥープ)」と呼ばれる技術。これは、「大量のデータを手軽に複数のマシンに分散して処理できるオープンソースのプラットフォーム」のことです。

 これにより、ペタバイトレベルの非構造化データの超高速処理が可能になり、ビッグデータがより身近になったと言われています。

※参考:NTT DATA「分散処理技術「Hadoop」とは」

ビッグデータがビジネスにもたらすメリット

 では、ビッグデータを利用することで、ビジネスにどのようなことがもたらされるのでしょうか。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

■ 高精度な現状把握

 これまで、経験や勘で現状を判断していたものが、ビッグデータを用いることで、経験や勘といった不確かなものに頼らない、正確な現状把握を行うことができるようになりました。

 例えば製造業では、IoTを活用してビッグデータを収集し、目標を達成できているか、実績とデータを突き合わせて判断を行うなどの取り組みがなされています。

■ 問題の回避・課題の発見に繋がる

 ビッグデータを用いることで、ネガティブな問題の回避や、物事の課題を発見することもできます。

 たとえば、政府ではビッグデータを分析することで、失業率増加などといった大きな問題を未然に防ぐ対策を行っています。他にも、SNSのユーザーの投稿を分析し、炎上リスクを発見するといったことも、ビッグデータを活用した例のひとつです。

■ 新たなビジネスの創出

 ビッグデータは、「従来の自社製品のデータ」「顧客データ」「購買データ」「ライバル企業のデータ」といったものの分析もできるため、どんな製品やサービスを打ち出せば市場に受け入れられるかのヒントを得ることもできます。

 たとえば、検索エンジンの検索キーワードやQ&Aサイトに寄せられた疑問や回答を収集・分析することで、ユーザーが抱えている悩みを洗い出し、製品・サービス開発に活かすことができるのです。

ビッグデータ活用のデメリット

 一見、メリットの多いビッグデータですが、デメリットが一切ないわけではありません。ビッグデータのデメリットで挙げられるのは、「匿名データでも個人が特定されてしまう」ことがあります。膨大なデータから関連性のある情報を突き合わせることで、匿名データから個人を特定できてしまうのです。

 たとえば、「東京都在住の25歳の女性」というだけでは、誰のことか特定するのは難しいですが、ここに「20歳の10月時点で子宮がん検診を受けている」という情報が加わると、ある程度絞られてしまいます。組み合わせる情報の数が増えれば、特定の精度も上がり、どんどん個人に近づいていきます。こうした問題の広がりから法規制が厳しくなることで、ビッグデータの活用幅が狭まりかねない可能性もあるでしょう。

ビッグデータを活用するために必要な3つのこと

 ビッグデータは、ただ収集するだけでは企業の売上アップにはつながりません。適切な活用方法を理解しておくことが重要です。

■ 適切な人材を育成・配置する

 ビッグデータを活用するためには、ビッグデータを扱える人材を育成し、適切な部署に配置することが求められます。ビッグデータを扱う職種は、最近では「データサイエンティスト」とも呼ばれています。

ただし、データサイエンティストが在籍する日本企業は、現状、それほど多くありません。もしビッグデータを活用してビジネスに革新を起こしたいのであれば、即戦力を探し出して採用する、あるいは自社内で教育を施してデータ分析の人材を育成する方法が考えられます。

詳しくはこちら

■ 社員がビッグデータを活用できる仕組みを構築する

 ビッグデータを社内で活用できる仕組みを作る必要もあります。データを解析してビジネスに役立つ情報を抽出したとしても、それが実際に活用されなければ意味がありません。

 そのため、分析して明らかになった情報について、確実に活用される仕組みを構築しておく必要があります。具体的には、売上計画や新製品・新サービスの開発計画を立てる際は、経験や勘に頼るのではなく、ビッグデータによって導き出された情報を活用して計画を立てるといったルールを設けるなど、なんらかの指針が必要でしょう。

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■ プラットフォームを構築する

 ビッグデータを活用するプラットフォームを構築することも、ビッグデータ活用において欠かせません。データを収集・分析・活用できるプラットフォームがあれば、データサイエンティストのような専門知識がなくても、ビジネスを改善させる情報にアクセスできるようになります。

 企業は、ビッグデータのプラットフォームを構築し、社員が必要な時にすぐにアクセスし、情報を得られる環境を整えておくことが重要です。

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ビッグデータを使ったサービス事例

 それでは、実際にビッグデータを活用してビジネスの改善に役立てている各社の事例を紹介します。

■ Google検索

 世界で圧倒的なシェアを誇る検索エンジン「Google」。たとえば「雰囲気の良いカフェ」「がっつりした肉料理」などの曖昧なキーワードを打ち込んでも、近隣のおしゃれなカフェや、ボリュームある肉料理を提供するお店がヒットします。

 こうした検索を可能にしているのが、日々、ユーザーが行う検索のビッグデータ解析です。これをもとにAIが検索結果を最適化しています。

 また、検索窓に複数キーワードを入力しようとした際に、途中で検索候補が表示される「サジェスト」にも、ビッグデータとAIが活用されています。

■ Facebook

 多くのアクティブユーザー数を誇るSNS「Facebook」も、サービス向上のためにビッグデータを活用しています。

 たとえば、不適切な画像の検知などがその1つです。2012年に買収したInstagramを活用し、投稿された膨大な写真をタグとの関連性を含めAIに学習させ、これを別のタスクに応用する「移転学習」を用いることで、暴力などの犯罪に関連する写真のフィルタリングを実現しています。

■ Netflix

 アメリカ発の映像ストリーミング配信サービスの「Netflix」は、ユーザーに継続利用してもらうために、レコメンデーションにビッグデータを活用しています。

 ユーザーがコンテンツをいつ視聴したか、一時停止したのはどこか、どういったデバイスから視聴しているのかなどといった情報をもとに、ユーザーを数万単位の集合体に分類し、マイクロジャンルからレコメンドします。

企業のサービス品質向上に、ビッグデータ活用を

 これまで多くの企業は、経験や勘に頼って製品やサービスの開発・改善を行ってきました。しかし、ビッグデータは、あらゆる角度からユーザーの情報を取得した、事実ベースの情報です。この確かな情報を活用していくことで、自社の製品やサービスの品質向上は、経験や勘で行ってきたものよりも確実性が高い可能性があります。

 製品やサービスの品質をより向上させたい、ユーザーニーズに応えたい、といった場合、ビッグデータの活用は大きな力となるでしょう。

※掲載している情報は、記事執筆時点のものです。

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