最先端テクノロジーの導入で先行している企業もあれば、遅れをとっている企業もあるのは周知の事実だ。しかし、企業が「持てる者」と「持たざる者」に分けられるという図式は、あまりにも単純すぎるかもしれない。企業のある部署は、ホールの先の別の部署よりもデジタル面で進んでいるなど、真の課題は社内に存在する可能性がある。そしてIT部門自体が、はからずも進歩を妨げていることも少なくない。
Harvard Business Reviewの調査で、組織内におけるこの格差の程度が明らかになっている。AccentureのRamnath Venkataraman氏が率いるチームが作成した報告書は、「多くの企業で、自動化や人工知能(AI)のツールにすぐにアクセスできるチームと、そうでないチームとの間で溝が広がっている。後者は生産性とAIスキル開発の両方で、不利な状況にあると考えている」と指摘した。
Venkataraman氏と共同執筆者らによると、調査対象となった企業の3分の2が、「クラウドとオンプレミスのシステムが混在した、最適とは言い難い企業システムに依存している」。そして問題をさらに悪化させているのは、IT部門が保守管理と維持に追われる一方、マーケティング部門や事業部門は、最先端のソリューションを業務で使用していることだという。「ITチームは、そうしたシャドーシステムを熟知できておらず、サポートやアップグレードする能力にも支障をきたしている」
IDCが2019年5月に実施した調査によると、… 続きを読む
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