トレンド7:データによる分断
企業はシームレスかつパーソナライズされたエクスペリエンスという顧客の期待に応え切れていない。平均的な企業が使用しているおよそ900種類のアプリケーションのうち、統合されているのは28%にすぎず、顧客に単一のビューを提供する妨げとなっている。MuleSoftの調査による、世界のコンシューマーのうち72%は、分断されたエクスペリエンスを提供された場合、サービスプロバイダーの乗り換えを検討すると回答している。また、企業の90%は、向こう12カ月以内にデジタル変革イニシアティブを完了できなければ、自社の業績に負の影響が及ぶと確信している。
MuleSoftの最高マーケティング責任者(CMO)Lindsey Irvine氏は、「このようなシステム間でのデータの統合と統一は、顧客に単一のビューを提供し、真のデジタル変革を達成する上で必要不可欠だ。また、これはデジタル変革イニシアティブを失敗に追い込む最大の理由でもある。システムやアプリケーションの数が指数関数的に増え続ける中、チームにとっての、そして組織にとっての成功の鍵は、データがどこにあろうともそのくびきから解き放ち、価値を迅速にもたらせるようにすることだとチームは認識している」と述べた。
トレンド8:データアナリティクス
Forbesによると、企業幹部の52%は「うまく考え抜かれ、作り上げられた企業データアナリティクスの取り組みによって、われわれは優れた顧客エクスペリエンスをもたらせるようになる」と答えているという。また、企業の48%は向こう12カ月以内にデジタル変革イニシアティブを完了できなければ、自社の業績に負の影響が及ぶと確信している。Gartnerによると、成長中の企業、あるいは業績を伸ばしている企業における製品マネージャーの48%は、顧客認知度の分析やセンチメント分析に向けたデータの収集、分析にアナリティクスを活用しているという。Gartnerは、データ品質の貧弱さに起因する売上高の損失を平均すると年間1500万ドル(約15億6000万円)に及ぶと確信している。
あらゆる企業はデジタルビジネスを目指さなければならないというのが、2020年における重要な教訓だ。そして、次なるニューノーマルな世界において、すべての企業はニーズが生み出されるペースに追随して価値を生み出せなければならない。ビジネスの未来は自動化と自律性にある。企業の未来は自律的な企業だ。Salesforce傘下のMuleSoftの接続性ベンチマークレポートと「Top 8 trends shaping digital transformation in 2021」(2021年を形作る8つのデジタル変革トレンド)レポートには数多くの事例が掲載されている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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