こうしたシフトに関して、MachEyeのPatel氏は「顧客行動や購買習慣は、パンデミックによって激変した」と述べている。このため、Patel氏は「分析レポートやダッシュボードは、2019年という最近のものであっても、使い物にならなくなるだろう。その結果、行動可能な洞察を得るために、顧客行動の変化をリアルタイムで分析することへとフォーカスがシフトしていくはずだ」と予想している。
InfoworksのCEOであるBuno Pati氏は、アナリティクスによってパンデミックに背を向ける方法ではなく、管理する方法に影響を与えられると指摘し、「戦争の勝敗は兵たん(ロジスティクス)によって決まる。われわれが今戦っている相手は、COVID-19だ(中略)病院は資格を有した看護師や、専門家、呼吸療法士、X線技師に関するデータへのアクセスが可能になれば、患者に対して必要なケアを迅速にもたらせるようになる」と述べている。
Franz Inc.のCEOであるJans Aasman氏は、COVID-19の接触者追跡の効率にグラフ分析が大きな影響を及ぼすと確信しており、「優れた医療関係機関はCOVID-19の患者に関するイベントナレッジグラフを作成し、感染者と6フィート(約1.8メートル)以内の距離で15分以上にわたって過ごしたすべての人と場所を分析し、(中略)COVID-19の感染拡大速度を低下させるために、感染の可能性がある人々に対して検査を受け、自己隔離するようアドバイスすることになるだろう」と述べている。
最後に、SASのヘルスケア担当グローバルプリンシパルであるGreg Horne氏は、アナリティクスとCOVID-19の相互作用が接触者追跡にとどまらず、COVID-19のワクチン接種に関する取り組みにも影響を与えるようになると考えている。同氏は「アナリティクスは、ワクチン開発時の承認プロセスで用いられるだけでなく、ワクチン配布計画や、配布状況の追跡、副作用、効果に対して重要な役割を担うようにもなる」と予想している。
古きを捨て、新しきを得る
米国におけるこれまでのワクチン配布の遅さを考えた場合、Horne氏の予想が現実となり、問題が改善されるかどうかについて思いをめぐらさざるを得ない。われわれのほとんどが、データやアナリティクスによってこのパンデミックの終息が早まると期待しているのは確かだろう。また、1年後に2022年を予想する際、パンデミック後の世界に焦点を当てられるようになっていることを望みたい。
最後に、ZDNet読者にとっての2021年が幸福で安全、実りある健全な年になるよう願っている。
なおClouderaは、筆者のアドバイザリー会社Blue Badge Insightsの顧客だ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。