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2021年は、突貫工事の後始末へ–コンタクトセンター基盤のベンダー座談会(前編)
2021.02.10

IT&ビジネス最新ニュース第109回

2021年は、突貫工事の後始末へ–コンタクトセンター基盤のベンダー座談会(前編)

もう、コール「オンリー」センターは必要とされていない

――コロナ禍における自社の取り組みを聞かせてほしい。

幸崎氏:在宅勤務向けソリューション「Avaya one-X Agent」の無償提供キャンペーンを実施したところ反響があり、サブスクリプションでご利用いただくケースが多かった。当社はオンプレミスのお客さまも多く、その方々にはライセンスだけを変更する申し入れを行った。その場合、PCから発着信を管理する「Avaya IP Softphone」が付属しているため、在宅勤務の支援につながったと考えている。あとはオペレーター同士や、オペレーターとスーパーバイザーとのコミュニケーションにAvaya Spacesを使っていただいた。

福井氏:アバイアでは、ソリューションが古いままでもサブスクリプションに移行できるのか。

幸崎氏:基本はアップデート込みのサブスクリプション移行。今後のアップグレードが無償になる、保守費が込みである、という形なので、アップデート移行そのものがお客さまのメリットになる。

羽富氏:われわれもAmazon ConnectやVDI(仮想デスクトップ基盤)「Amazon WorkSpaces」に加え、オンライン会議システムとして「Amazon Chime」を組み合わせて提供している。また、セールスフォース・ドットコムと共同で自社のソリューションを無償で提供するキャンペーンも実施した。

福井氏:小規模の在宅勤務を望むお客さまに対して、Genesys Cloudを無償で利用できる「Genesys COVID-19 Vaccine Rapid Response」を実施した。国内でも早々にご相談を頂いたが、1回もお客さまと会わずに7日間でシステム稼働に至っている。このことは、当社従業員の大きな自信につながった。他にもGoogleと共同でボット設置サービスを展開するとともに、米国のみだが、新型コロナウイルス感染症のワクチンを迅速に配付する「ワープスピード作戦」が2021年1月頃から稼働する予定だ。

――コロナ禍を契機にノンボイスチャネルのメールやチャットサービスを拡大しようとする顧客は増加傾向にあるか。

幸崎氏:「アバイアは音声ばかりでノンボイスチャネルは弱い」と認識されてきた。実際反論できない部分もあるが、最近はポートフォリオも出そろってきた。具体的には従来のアバイアプラットフォームにデジタルチャネルを追加するアプローチが1つ。もう1つは最初からオムニチャネル指向型プラットフォームを構築する方法。最後はこれからリリースするオムニチャネル対応のパブリッククラウド。既存資産を守りたい、また音声がビジネスの中心というお客さまは最初の手法、カスタマージャーニーを再定義して最初からビルドアップしたいお客さまは2つ目、開発は避けたいけど複数のチャネルを取りそろえたいお客さまは3つ目のパブリッククラウドをお選びいただきたい。

羽富氏:チャットシステムの要望は当然あるが、Amazon Connectの成長度を鑑みると、電話の需要はそれほど減っていないように思う。お客さまの業務形態や音声チャネルの需要度合いに応じて増えることもあり得る。アプリケーションとしてのボイスも増えていきそうだ。顧客体験(CX)の観点では、個々のチャネルではなくチャネルミックスされた形で使われていく変革が進むだろう。

福井氏:もう、コール「オンリー」センターは必要とされていない。日本人はリアルタイムに話すことにこだわりがあったと思うが、コロナ禍で生命の問題から、セルフサービスやAIを使えばいい、という流れが出てきた。企業がノンボイスチャネルに移行しても、エンドユーザーは許してくれる。

幸崎氏:エンドユーザーの世代やコンタクトリーズン(コンタクトセンターに連絡した理由)という2つの視点がある。断言はできないが、高齢層のほか、クレジットカード紛失やクレームなど緊急度の高い場面では電話を選ぶ傾向が強い。また、以前から音声以外のチャネル導入も進んでいたが、音声とメールの受け付けチームが異なる縦割りのシステムだった。お客さまのフィードバックをお聞きすると、最近になって消費者視点でチャネルを横断するカスタマージャーニーデザインの需要が高まっている。

福井氏:日本はサイロ化が好き(笑)。

幸崎氏:テリトリーを明確にしたいと。

羽富氏:当社顧客でも早急に在宅勤務システムを立ち上げたいので、既存のシステムに追加して構築するお客さまも少なくない。すると連携やCRM(顧客関係管理)データ、コールレコード情報の統合といった課題が生まれてしまう。2021年は、この辺りの整理が始まるかと思っている。

 

※この記事はZDNet Japanから配信されています。

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