2021年の世界のIT支出は3兆9000億ドル(約400兆円)に達する見込みだ。新型コロナウイルスが、急速なビジネス変革を後押しする触媒の役割を果たすためだ。
Gartnerは米国時間1月25日、世界のIT支出に関する新たな予想を発表した。同社は、2021年のIT支出は6.2%上昇すると予想しており、コロナ禍によって2020年に3.2%減少した分を補う形になりそうだ。
同社によれば、2020年には多くの企業が、生き残るために事業の拡大や新たな技術への投資よりも既存事業の運営強化や「ミッションクリティカル」な業務への投資を優先せざるを得なかった。
しかし現在のIT担当役員は、突然発生したリモートワークやソーシャルディスタンスの確保などの要求以外にも目を向け始めており、成長や回復に向けたIT環境の拡大に手を付けられるようになっているようだ。
Gartnerは、2021年にはIT支出のすべての分野が成長に転じると予想している。同社は、リモートワーク環境に対するニーズが今後も続くことで、エンタープライズソフトウェア分野で「強力なリバウンド」が発生し、この分野の成長率は8.8%に及ぶと見込んでいる。また、リモートワーカーや遠隔授業で学んでいる学生たちからの需要によって、デバイス分野の支出も8%増加するという。
同社の以前の予想では、2021年の世界的なIT支出は3兆8000億ドルと予想されていた。同社は全体的に楽観的な予想を示した一方で、世界的な支出がコロナ禍以前の2019年の水準まで戻るのは… 続きを読む
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