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セコムがオープンイノベーションで開発、5GとAIによる公共空間の警備システムとは
2021.04.23

新しいテクノロジーの波第4回

セコムがオープンイノベーションで開発、5GとAIによる公共空間の警備システムとは

著者 Bizコンパス編集部

 セコム株式会社(以下、セコム)は、新機軸のサービスを生み出していくために、社内外の多様な価値観や技術を積極的に取り入れていく「オープンイノベーション」という手法を採用しています。その結果、5GとAIを活用した警備システムなど、新たなサービスを生み出すことに成功しています。2021年2月には、内閣府の「第3回日本オープンイノベーション大賞」経済産業大臣賞も受賞しました。

 セコムが取り組むオープンイノベーションとは、どのようなものなのでしょうか?そして、オープンイノベーションによって生み出された公共空間の警備システムとはどのようなものなのでしょうか? 同社オープンイノベーション推進担当リーダーの沙魚川(はぜかわ)久史氏が解説します。

(本記事は会社NTTドコモが開催した「docomo Open House 2021」での、沙魚川氏のプレゼンテーション「5Gで広がるウィズコロナ時代の警備サービス」を元に構成しています)

新ビジネスはどうしても「異質さ」を伴う。それでも推し進めるためには“箱”が必要

 セコムは1962年に設立された、日本初の警備サービス会社です。同社は、社会の多様なニーズを探索し、社会課題をスピーディに解決していくために、オープンイノベーションを駆使しているといいます。

セコム株式会社
オープンイノベーション推進担当
リーダー 兼 企画部担当課長
沙魚川(はぜかわ)久史氏

 「社会の変化を探索するといったテーマでオープンイノベーションを行う場合、多様な価値観や課題感を可視化し、公開・共有するという取り組みが起点となります。これは、『オープンイノベーション2.0』とも呼ばれます。

 オープンイノベーション2.0では、社会やコミュニティとの協働で多様化する価値観を探索して仮説を見出し、小さなプロトタイプをつくります。それをお客さまに使ってもらい、フィードバックを得て、プロトタイプを修繕。修繕したプロトタイプを再度お客さまに使ってもらうというサイクルを繰り返しながら、社会側との協働と開発側での協働を行き来してニーズや価値を確認していきます」

 沙魚川氏はオープンイノベーション2.0を進めるうえで注意すべき点として、価値が確立できた後の商品化のプロセスを指摘します。

 「新しい価値には、これまでなかった“異質さ”があります。異質なものを異質なまま、既存のプロセスや価値観にとらわれることなく、いかに商品化していくかは非常に難しい作業です。既存のレギュレーションやお客さまの印象、ブランドなども、その妨げとなる要因になってしまいます」

 セコムでは、新しい価値に取り組む挑戦的なプロジェクトに特化したブランドをスタートしました。それが『セコムデザインファクトリー』です。セコムデザインファクトリーは、既存のイメージや連想にとらわれずに、多様な価値に挑戦的、実験的に取り組み、新しい課題や価値を発掘し、商品化するブランドとなります。

 「こうした“箱”を用意すれば、社内の意見にも『挑戦的なブランドだから、既存のプロセスどおりでなく最適な方法を考える』と言うことができますし、お客さまにも『これまでとはちょっと違うんです』と説明できるようになります」

 セコムデザインファクトリーからは、既にいくつかのサービスが誕生しています。たとえば、「たのしい、みまもり。」というコンセプトの高齢者向け見守りサービス「まごチャンネル with SECOM」もその1つです。家族の日常や旅行などの動画・写真をアプリで送信し、離れて暮らす実家のテレビに映すことで、見守られる側の実家の高齢者にもつながる楽しさや家族で会話する喜びが感じられる商品となっています。

 さらに、警備員の研修をVRの仮想空間の中で行う「VRの研修システム」というものもあります。これは、危険度の高い研修や準備にコストがかかる研修を、仮想空間の中で実施するというものです。スコアリングの要素を導入することで、ゲーミフィケーション(ゲーム効果)によってモチベーションを上げるような工夫を凝らしています。

 このほか、犬型ロボット「アイボ」とホームセキュリティーの連携サービスも商品化されています。これら商品は、「同期・非同期・リモート」、そして「機能を越えた感性的/情緒的なあんしん感」がキーワードになっているといいます。

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