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Bizコンパス

DXの潮流、CDOの挑戦
2021.04.09

新しいテクノロジーの波第3回

NTT Comとドコモが連携した「ローカル5G」にはどんなメリットがあるのか

著者 Bizコンパス編集部

 「ローカル5G」は、建物や敷地内などの特定エリアに、自営で構築する5Gネットワークのことです。2020年12月、ローカル5Gの新たな周波数帯として、先行して制度化されていたミリ波帯(28GHz帯)より遮蔽物に強いSub-6(サブシックス)帯(4.7GHz帯)が制度化されたことで、導入を検討している企業も多いでしょう。

 ローカル5Gを導入することで、企業はこれまではできなかったことが可能になります。たとえば、精緻なロボット等の自動制御や、従業員の作業データ等を取得した勤怠・健康管理、高精細カメラによる危険エリアの事故防止対策、VRを活用した熟練者の技能継承などです。

 しかし、ローカル5Gの導入にはさまざまな課題が存在します。無線免許をどのように取得するのか、監視・運用保守の仕組みをどのように構築するかなど、導入のハードルは決して低くはありません。

 この問題を解決するために、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)では株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)と連携し、ローカル5Gの活用に必要な全工程を支援する、マネージドサービスの提供を開始しています。同サービスはどうやって企業のローカル5G導入を支援しているのでしょうか。ローカル5Gの提案に携わってきた、NTT Comの鵜澤達也氏に聞きました。

ローカル5Gを導入するには、いくつかの障壁がある

 鵜澤氏は企業がローカル5Gを導入するうえで最初の障壁になりがちな点として、「全体設計」を挙げました。

 「ローカル5Gの通信は、企業ネットワーク全体からみれば一部に過ぎません。たとえば低遅延を必要とするアプリケーションによるソリューションを目指すのであれば、ローカル5Gの裏側のネットワーク構成や、データを蓄積するクラウドとの接続、さらにアプリケーションまでを含めてトータルで考える事前検討が重要です。

 導入したいソリューションとの連携を含めた計画策定、適切に動作する機器の選定、エリア調査を踏まえた最適な回線設計が求められるため、ローカル5Gの導入には広範囲の知見が必要になるのです」

 鵜澤氏は続けて、ローカル5Gの運営に必要な「無線免許の取得」も障壁になるといいます。

NTTコミュニケーションズ株式会社
プラットフォームサービス本部
データプラットフォームサービス部
サービスクリエ―ション部門
鵜澤達也氏

 「いきなり書類を総通局(総務省総合通信局)に提出しても、まず受け付けてもらえないでしょう。免許申請には手順があり、まず導入予定地の環境を調査し、適切な無線通信エリアを設計し、適切な機器を選択し、それらを総通局へ事前に説明することが必要です。さらに免許の申請前に他事業者との電波干渉を調整する必要もあり、現実的にすべてを自前で行うのは難しいでしょう」

 手間をかけて免許を取得し、システムを構築したとしても、次に立ちふさがるのは運用保守の問題です。鵜澤氏は、ローカル5Gだけでなくシステム全体の保守運用との連携を意識することが必要になると指摘します。

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