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なぜ製造現場で「協働ロボット」が導入されているのか?
2020.03.19

新しいテクノロジーの波第2回

なぜ製造現場で「協働ロボット」が導入されているのか?

著者 佐野 正弘

 これまで産業用ロボットといえば、無人の現場でロボットだけが作業するというイメージが強かった。だが最近、人とロボットが並んで働く「協業ロボット」が、新しい産業用ロボットの形態として注目を集めつつある。

 なぜ人間とロボットとの協業という、新しい形が求められるようになったのだろうか。

「無人化」がロボットの特徴なのに、なぜ人と働く必要がある?

 産業用ロボットといえば工場内での溶接、塗装、加工など、製造業で利用されている様子をイメージする人も多いだろう。最近では食品加工など、さまざまな業種に向けたロボットが登場しており、安全性の問題などから、基本的には無人の現場で決められた作業を自動でこなすものが中心だ。

 しかしここ最近、人と同じ現場で協働作業するために作られた「協働ロボット」が増えてきている。活用シーンは多岐に渡り、装置の組み立てや製品の梱包、品質検査などにも対応できる。

 無人化・自動化を目的として導入が進められた従来の産業用ロボットの動向とは矛盾した動きのように見えるが、そもそもなぜロボットが人と作業を共にする必要が出てきたのだろうか。

 それには製造業を取り巻く変化が大きく影響している。中でも日本において最も大きな変化が、少子高齢化による労働力不足だ。従来は人の手でこなしてきた作業も、人の数が揃わなければ作業そのものがこなせなくなってしまう。結果、人の代替として、現場で人と同じ作業をするロボットが必要とされるようになってきた。

 そしてもう1つは消費者の嗜好の多様化による製品の「少量多品種」化だ。同じ製品を大量に生産するよりむしろ、多様な製品の少量生産が求められるようになってきている。少量多品種の生産体制に対応するためには、都度生産ラインを変更できる、フレキシブルな作業体制が求められる。

 その際に必要なのは、従来のように同じ場所で同じ作業をするロボットではなく、人間のように製品に応じて複数の作業に柔軟に対応でき、なおかつ人と協力して作業ができるロボットなのだ。そうした生産現場の変化が、協働ロボットのニーズを生み出したといえるだろう。

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