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【PNP Summer Summit 2021】ダンボールに貼れるセンサー、人流を可視化するプラットフォームが登場
2021.09.01

シリコンバレー通信第41回

【PNP Summer Summit 2021】ダンボールに貼れるセンサー、人流を可視化するプラットフォームが登場

著者 小室 智昭

(6) Real Estate & Construction(不動産&建築物)

(6-1) 注目ポイント

 前回のReal Estate & ConstructionではIOTを用いた重機などのAsset Tracking(資産追跡)や工事現場で作業員の安全を守るソリューションが多く見られたが、今回のReal Estate & Constructionは工程管理や空間管理などのプラットフォーム、Sustainability(持続可能性)を目指した新素材を開発しているスタートアップが多く見られた。

 

(6-2) 注目スタートアップ

 スタートアップ ピッチはSmart Infrastructure(ITを活用したインフラ)とConstruction Tech(建設技術)の2つの領域に分かれて15社のスタートアップがPitchを行った。その中から、農業、クリーンエナジー、セキュリティ向けに量子ドットを開発しているUbiQD社を紹介する。

 UbiQD社は、量子ドットという量子レベルの新素材を開発している。UbiQD社のFounder & CEOのHunter McDanielさんはピッチの中で、「この技術を農業、クリーンエナジー、セキュリティの分野へと展開していきたい」と今後の展望を語った。

 農業の分野においては、同社の量子ドットは太陽光から植物の育成に寄与しないと言われている色を成長に効果があると言われている色に変換して拡散させて植物の育成を促進する。

 クリーンエナジーについては、同社の量子ドットを埋め込んだフィルムを窓ガラスで挟み、太陽光の波長と方向を変えて窓ガラスの内面で反射させながら太陽光発電ユニットまで光を届けて発電する。現在、UbiQD社はTexas州Austin市の本社オフィスやパートナーのHoliday Innの施設で実証実験を行なっている。

 セキュリティについては、正規品と模造品を見分けるためのインクを開発している。セキュリティ目的で新たなインクを開発しているスタートアップが他にもいることを考慮すると、この分野も今後注目分野となりそうだ。

UbiQD社のターゲット

(7) Energy(エネルギー)

(7-1) 注目ポイント

 業界全体で見ると2018年から2020年にかけて、投資案件は増えたが、投資額は減少している。その一方、投資家によるエネルギー業界への投資は成長している。投資家の投資対象は、Early StageとLate Stageに二極化していて、今すぐ使いたい成熟した技術への投資と将来有望な技術への投資に分かれた感じだ。

 エネルギー関連の技術開発には時間がかかる。2030年の二酸化炭素削減には商用化間もない技術が使われ、2050年の二酸化炭素半減には現在試作段階の技術が使われると見られている。Early Stageへ投資した投資家は未来を予測し、スタートアップともに新しい世界を築こうとしている。

投資家が積極的に投資するエネルギ業界(左)と二極化の状況(右)

 

(7-2) 注目スタートアップ

 スタートアップ Pitchは監視/分析/予測、Sustainability/グリーン、EV Charging(電気自動車の充電)に分かれて15社のスタートアップがPitchを行った。Smart Grid、蓄電池、施設監視に関するソリューションは多くのスタートアップが取り組んでいるが、徐々に水素発電やEV車の効率的な充電を目指すスタートアップが増えている。その中から、電力会社、EVオーナー、EV ChargerをEnd-to-Endで統合したEV Charging Management Platform(EV充電のマネジメントプラットフォーム)をソフトウェアで実現しているev.energy社を紹介する。

 ev.energy社のCo-Founder & CEOのNick Woolleyさんは「”EVオーナーのほとんどが自分専用のEV Chargerで充電したいと考えていて、EVオーナーの80%が自宅で充電している”という背景がある。」と会社設立の理由を語った。

 ev.energy社は、既存のEV Chargingの高カーボン、高コスト、複雑な管理という課題の解決を目指している。その課題の解決に向けてev.energy社はEV、EV ChargerのAPI調査、電力利用分析及び制御アルゴリズム、スマートフォンアプリを開発した。

 実際にev.energy社のスマートフォンアプリを使ってみると、設定はとても簡単だ。まず、EVのメーカー・モデルを設定してEV Chargerに繋ぐ。次に住所、電力会社、料金を入力する。それだけで、EVオーナーは料金が安いオフピーク時に充電でき、電力会社はピーク時の電力設備の負荷を下げられる。

 ev.energy社は独自ブランドでのサービスと電力会社、EV Chargingメーカーへの技術ライセンスの2つのビジネスモデルで事業拡大を目指している。

ev.energy社が考えるEV Chargingの課題(上)と同社のソリューション(下)

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