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IoTの三種の神器とは?バイデン大統領で何が変わる?2021年のITトレンド予想
2021.01.06

シリコンバレー通信第35回

IoTの三種の神器とは?バイデン大統領で何が変わる?2021年のITトレンド予想

著者 小室 智昭

4.Smart City x Mobility

 数年前からCESでも米国の都市が企業と連携したSmart Cityの事例紹介をよく目にする。2015年ごろにCESで紹介されたSmart Cityの事例は、センサーやカメラを設置してデータを集めている程度で将来性を感じるものではなかった。おそらく、自治体は「何かできる」と思っていたが「何をしたい」がなったのだろう。そのため米国では、Smart CityはNice to HaveなIoTと捉えられてきた。

 ところが、2020年になりSmart Cityの関心が高まり始めた。街が抱える課題を解決するソリューションやAIによるセンサーデータの分析とその分析結果をもとに都市インフラを操作するソリューションを提供するスタートアップが数多く登場した。

 シリコンバレーの自治体のSmart City担当者が”解決したい課題”の一番にあげるのは”交通事故の減少”だ。特に歩行者、自転車の交通事故の減少が最優先のようだ。TEXIT(Texas州への本社移転)が話題になっているシリコンバレーだが、人口増加に伴う歩行者、自転車の交通事故が急増しているそうだ。

 また、交通渋滞がひどいシリコンバレーではストレスフリーな交通システムの実現も優先度が高いという。交通事故防止、ストレスフリーな交通システムの実現に向けては、カメラとゲートウェイで既存の交通システムを自動制御するソリューションや都市インフラが歩行者などの障害物を車両に通知する(V2X; Vechicle-to-Everything)などが注目だ。V2Xの普及は、Lidarなどのセンシング技術、AIによる分析・認識技術、5GによるリアルタイムなOT(Operational Technology; 制御技術)が重要な鍵となる。個人的に興味深いのは、これらのソリューションを開発しているスタートアップは、Israel、NYC、シリコンバレーなどの交通渋滞がひどい地域から誕生していることだ。

V2Xのコンセプト

5.専門家が見つめる2021年

(1) CES 2021

 CESを主催するCTA社は2020年12月15日に開催したメディア向け記者会見で、CES 2021で注目分野を紹介した。CES 2021期間中にKeynoteが開催される5G、Smart City、Digital Health、Transportationは、特に注目すべき分野であろう。

 ・5G and IoT(5GとIoT)
 ・Ad, Entertainment & Content(広告、エンターテイメントとコンテンツ)
 ・Automotive(モビリティ)
 ・Blockchain(ブロックチェーン)
 ・Health & Wellness(医療と健康)
 ・Home & Family(家庭向けソリューション)
 ・Immersive Entertainment(没入感のあるエンターテイメント)
 ・Product Design & Manufacturing(設計と製造)
 ・Robotics & Machine Intelligence(知的なロボット)
 ・Sports(スポーツ)
 ・スタートアップ(スタートアップ)

CES 2021における注目分野

(2) Gartner社

 Gartner社は2020年10月のGartner IT Symposiumで2021年に注目すべき技術について紹介した。その中で、Gartner社は以下の9つの技術を注目すべき技術とした。

 1. IoB, Internet of Behavior(様々なデータからの行動分析)
 2. Total Experience(エコシステムにおけるトータル・エクスペリエンス)
 3. Privacy-Enhancing Computation(高度なプライバシー対策)
 4. Distributed Cloud(クラウドとエッジを連携させた分散型クラウド)
 5. Anywhere Operations(セキュアで柔軟性が高い新たなオペレーション)
 6. Cybersecurity Mesh(拡張性がある分散型サイバーセキュリティ)
 7. Intelligent Composable Business(再編成可能な高度なビジネスプロセス)
 8. AI Engineering(継続的なAIへの投資)
 9. Hyperautomation(高度な業務自動化)

Gartner社が注目する2021年の技術トレンド

 Gartner社はさらに、見逃してはいけない2021年〜2025年のトレンドとして、以下の7つをあげた。これらには、今話題のQuantum Computing(量子コンピュータ)、Distributed Cloud(分散クラウド)、Augmented Tech(拡張現実)が含まれている。Hypecycle(新技術が登場した後のサイクルを類型化したもの)的な思考に立つと、これらの技術がブレイクするにはもう少し時間がかかるとGartner社は考えているのかもしれない。

 1. Nontraditional compute technologies(新たなコンピューティング技術)
 2. DNA data storage(大容量ストレージ)
 3. Distributed Cloud(クラウドとエッジを連携させた分散型クラウド)
 4. Digital twin of the earth(ITを活用した気候変動対策)
 5. Augmented humans(バーチャル技術による業務支援)
 6. Technological biohacking(プライバシーに配慮した医療IT)
 7. Emotional experiences(感情分析のビジネス利用)

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